みなさんこんにちはこんばんは。ツバメです。
今回は12月21日に開催されたXIIXのワンマンライブ「CURIOSITY」のレポートをお届けしていきます!
0.開演前
”ライブハウスでライブを観る”という体験をおよそ10か月振りにしてきました。
道中、同じ目的であろう人を発見して嬉しくなったり、駅から会場までの道のりを駆け足気味に歩んでしまうこの時間こそ、ライブがなくなったことで失われていたものなんだよな~とか思いながら1年3ヶ月ぶりの新木場に到着しました。それにしても冷え込みが凄かったですよね。
接触確認アプリの確認や電子チケットのセルフもぎり(?)、検温、手指の消毒を済ませて無事に入場。こんな時期のライブだからこそ、こういうことも文字にして残しておこうと思います。
今回は立ち位置指定制ということで自分の整理番号が書かれた紙を探しながらの入場。
規則正しく貼られた紙の上に人が一人ずつ立っている光景はなんか違和感ありすぎて笑っちゃったよね。
足元の紙の間隔はだいたい50~80㎝くらいだったかと思われます。ちゃんと身体揺すってもぶつからない距離だし足元にペットボトル等の小さな手荷物は置いても問題ないし、何かと快適空間でした。
ステージは下手からDJブース(向かって左奥)、ベース(左手前)、ドラム(中央奥)、ギター(右手前)、キーボード(右奥)の配置。(メイン二人が前、サポートが奥というわかりやすい構造だね。)
開演前はマスク着用、発声禁止等の諸注意のアナウンス。その中に収録カメラが入るというサプライズなお知らせもありました。
SE.White White
まずはXIIXというバンドの出発点であるWhite Whiteからスタート。ほぼ同時に二人が入場しスタンバイ。
アルバム1曲目をSEに持ってくるの、王道的な熱さがあってとてもいいんだけどXIIXのWhite Whiteに関しては演奏しているところも観たいよねなんて思ってしまったな。
01.talk to me
メンバー二人によるセルフレコーディングであるin the Roughシリーズからの1曲。
”また会える日まで 動き出した計画はdon't stop"とバンドとしての活動が表向きには止まってしまっていた期間のことを表しているような歌詞の曲が1曲目に置かれるの、とても嬉しいよね。
サビは須藤さんもコーラスで参加。スタイル良いうえにお声までよろしくてズルかった。
歌詞的にアンコール1曲目とかに置くんだろうなと思っていたのでちょっと意表を突かれた。でも1曲目に聴かせるタイプの曲を置くセットリストはいつでも最高ですよね。(結局ここでもセットリストのオタク)
ちなみにカポ4でギターは赤ストラトでした。カポはユニゾンの時には使ってない銀色で持ち手が上に飛び出してないタイプのやつだったように見えたな。
02.LIFE IS MUSIC!!!!!
同期音が始まり咳払いなしでのスタート。
軽快なギターのサウンドとリズム感が徐々にフロアを温めていく感じがしてよかった。
Bメロの水色の照明に包まれるステージがとてもきれいで見とれてしまったよね。ここクラップ煽る須藤さんのスタイルの良さにまたもズルいな~ってニヤけてました。(ここクラップポイントなんだって驚いたのはナイショ)
2番から徐々にベースが前に出てくる(音的な意味で)のが良いよね、この曲。
爽やかなテンポ感で駆け抜けていくように演奏を終え次の曲へ。
03.XXXXX
数秒の暗転を挟んだあと、激しめのリフと赤い照明の中でのアクト。
1サビ終わりのギターに合わせて斎藤さんがセルフで(?)ハミング入れるアレンジがとても良かった。器用ですよね本当に。
ここまで3曲聴いて思ったこと「XIIX、音の情報量が多すぎてキャッチしきれないな」です。
同期音があるのもそうなんだけど、目まぐるしく奏法やエフェクトが変わっているのが相まって「今どの音を鳴らしているのか」を把握するのがけっこう難しかったです。
単純に筆者の聴きこみ不足な面も多いにあるとは思うけれど、いつも以上に耳を研ぎ澄ませながら音楽に浸ったライブでした。
04.E△7
一度暗転を挟み、仕切り直し。斎藤さんは確か白ジャズマスでのプレイ
この曲は同期でサビのハモリが入っていたのだけど、いつもの活動の方だと自分でハモリ入れたり、それをライブで流すというのは殆どないので、ある意味での違和感(ネガティブな意味は含まれてないです)があって面白かった。まぁ多くのアーティストがやっていることではあるんだけど。
White Whiteではトップクラスに好きな曲で、こういう歌モノ路線めちゃくちゃ好きなのでこういうタイプの曲はもっと増えてほしいなぁ。
05.Light&Shadow
キーボードが光るイントロからこの曲へ。
「お、おおっ~」のコーラスをする須藤さんがとても良かったです。もっとがっつり歌う曲もやってほしいなと思っていたらこの後この感情は回収されました(後述)。
底知れぬダークな雰囲気とその中に垣間見えるポップさのバランスが絶妙で、個人的に抱くXIIXへの不気味な印象を形作っている曲だなと改めて実感しましたね…。
(不気味な印象っていうのは「どんな音楽をやってくれるのか」という楽しみと恐ろしさの混ざり合った感情です、念のため。)
06.Fantome
たしかここでギターを持ち替え。クリーム色のおニューのギターだったと記憶してます(ピカちゃんってこれだよね?)
ベースもギターもエレキなのにアコースティックのような暖かくて柔らかな音が鳴っていて最高に浸ってしまった。
07.4:43AM
ステージにはピンスポに照らされた須藤さん一人の状態へ。
椅子に腰かけてのベースソロは他の楽器隊がいないのにメロディアスで幻想的なベースの音が響き渡っていて本当良かった。
08.曙空を見つめて
袖から斎藤さんが手ぶらで登場。二人で目を合わせて歌い出しに突入する瞬間の集中した空気感は生だからこそより心打たれるものがあった。
09.5:03PM
数秒の暗転の間に斎藤さんはギターをセッティング。
弾いた音を重ねて流し続けるルーパーを用いてミュージシャン斎藤宏介の奏でる世界が心地よすぎた。
10.夕映えに紛れて
引き続きルーパーを用いてのアクト。アルバムに収録されていない2番からはバンドアレンジスタイルでの演奏となった。
このバンドのライブ初参加だったのでわからなかったが、どうやらこのスタンスは以前のライブでも行われていたようだ。
雄大なストリングスと斎藤さんの声とメロディの相性が抜群で、どこまでも果てしなく続く夕焼け空が背後に見えたような気さえしてしまった。
ライブ限定に留めておくのはあまりにも惜しいので是非音源化していただきたい。
11.Regulus
タイトルはナタリーの記事より。
前回のライブで披露されていたがここまで音源としては公開されていない隠し玉的存在の曲。
曲調はマイナーキーでラップ気味に言葉数の多いメロディが特徴的。エッジの効いたギターとノリのいいテンポ感で初めて聴く知らない曲なのにめちゃくちゃ気持ち良く聴けてしまった。
XIIXの既存曲でタイプが似ているのはAnswer5、某UそんSくえあGでんで似ているのを無理やり探すとなると曲の雰囲気はスノウリバースとかマイノリティ・リポート系統で、もう少し闇感を足した感じ?(伝わらない)
めちゃくちゃ好みの曲だったので是非音源化されてほしい。(2回目)
MC
(覚えている限り書き残しておきますが発言の順番とか細かい言い回しとかはだいぶざっくりなので参考程度に見てください)
斎「いや~実に11か月振りのライブです。楽しいね。あと寒くない?」
須「楽しいね。」
(筆者:わかるめっっっちゃ寒い)
斎「XIIXは今年1月にアルバムを出して、よしこれからドンドンやっていくぞ!という段階だったんですが、そのタイミングでライブができない状況になってしまったんですよね。
で、表向きには、僕らの活動は止まっている状態になってしまっていて。その間”やっていくぞ”って気持ちは曲を作っていくことにしかぶつけることができない状態だったんだよね。
次はそんな中できた新曲をやろうと思います。
曲を作るくらいしかできない期間だったけど、とても前向きでいい曲ができたよね。」
須「いい曲だよね。うん。」
斎「聴いてください。おもちゃの街」
12.おもちゃの街
泣きました。なんですがこの世紀の大名曲は…。サビへ入る前のタメが良いし、そこから世界が拓けるように突入していくサビはもっと良い。
なんだかやたらと馴染みを感じてしまう言葉である”ようこそ”がいい味出してますよね。
XIIXというバンドの曲はどちらかというと「日々の生活で生まれる歪み」をバネにしていると感じていたので、こういう純度120%の曲がリリースされることにはめちゃくちゃ意表を突かれた。
それぞれの生きる世界をひとつに結んでしまうような優しさと温かさに完全に虜になってしまったと同時にミュージシャン斎藤宏介への畏怖の念が強まった。めちゃくちゃいい詞かくじゃないですか…。その才能を隠してるのズルすぎる。
優しいけどどこか切なさも併せ持つような世界観はスカースデイルに通ずるものを感じるし、色々な意味での”原点”はやはりスカースデイルなんだろうなとも思う。
(完全に余談だけどこの類の曲は某作詞作曲おじさんが大好きな路線だと思うので彼の感想も聞きたいですね…。)
13.あれ
名曲で言えばおもちゃの街を挙げたいが、ベストアクトで問われれば間違いなくこの曲を挙げたい。
せわしない音の交錯と共に「素敵なメンバーを紹介します!」とギタボから一言。
DJ vs Key.→Ba. vs Dr.ときて最後はGt.へとなだれ込む構成。
サポートメンバー(DJ HIRORONさん、Key.山本健太さん、Dr.よっちさん)の紹介は斎藤さんから。
最後のGtは須藤さんからの「ギター斎藤宏介!」痺れましたね…。
やっぱりプロのミュージシャンたちが鳴らす音は最高にカッコよかった。
そして相変わらず難解な譜割りをいとも簡単に歌いこなしてしまう斎藤さんの技量の高さに脱帽。ギタボとしてのハイスペックさが極まっている。
これも余談だけどRegulusやあれのような”一聴じゃ読み解けない”ような曲を外バンでも自ら作詞作曲して演奏しているのを見ると、「普段歌っている難解な曲もちゃんと斎藤さんの好みなんだな、良かった良かった」と安心してしまう。(どこまでもオタク)
14.Stay Mellow
あれを締めてバンド全体の音が止まって数秒でこの曲のイントロへ突入。ラストスパートを予感させる使い方で良かった。
生バンドでより化ける曲で、イントロ中心にピアノのサウンドがとても映えていたよね。
ラップ調のところは生歌だと音源とは違う音の当て方をしていたりして、今後の進化をもっと見ていきたい気持ちが強まったな。
15.ilaksa
畳みかけるようにベースのイントロへ。終始ワウの効いたベースがめちゃくちゃ心地よくて踊ってしまいました…。
※ワウっていうのはエフェクト(音色)の種類のことで、波打つような感じの音に変化が加わるって感じです(伝われ)
踊るベースラインに合わせて踊る須藤さんのスタイルが良すぎてびびった。このバンド、総じてスタイリッシュすぎる。
16.Answer5
Dr.よっちさんの4カウントでイントロへ。
ここまでアップテンポながら変則的な曲が続いてきただけに、この曲の持つストレートな疾走感には安心感さえ覚えてしまった。
ステージ、フロアともに熱量は最高潮に達し、激しめの照明と共にバチバチにかっこいいアクトだった。
須藤さんが下手→上手の順でステージ前方まで乗り出してきてくれて沸いた。
Stay Mellowからの一連の流れはライブのフィナーレに向かっている”畳みかけ感”がヒシヒシと伝わってきて最高だった。
MC
斎「いやぁ~あっついね!汗かいたわ。楽しいね。」(数十分前まで寒がってた人)
須「お、よかった(笑)
いやほんと楽しかったね。ありがとうございました。」
という平和すぎるやり取りを終え
斎「汗かいたといってもアルバムでやってないのあと1曲なんだけどね(笑)
最後にその曲をやって終わろうと思います。
またどこかでお会いしましょう!今日はありがとうございました!」
17.Saturdays
歌い出しの静謐さから雄大な締めくくり方までの全てが本編ラストに相応しすぎる曲。この曲の持つ世界観とその表現力が本当に好き。
各楽器隊が生き生きとしていたしそれを背に受けて斎藤さんの歌声もめちゃくちゃ透き通っていてよかった。
楽器隊が一つずつ減っていって最後にボーカルだけが残る幕引きがとても魅力的。ライブでは歌で締めたのちに「ジャーン!」と最後の余韻を残すバンドの演奏が付け加えられ本編が終了した。
Encore
MC
斎「ありがとうございます。いっぱい喋ろうかな。」
客:拍手
斎「これで沸いちゃうと歌ってない方がいいみたいな気がしない?そんなことない?」
須「みんなしゃべれないからやめて(笑)」
相変わらず絡みが平和すぎる。
斎「今後のXIIXの活動について、ちょっとご報告したいと思います。
さっきも言ったけど、1月にアルバムを出して、どんどんライブをやっていくぞというところでライブができなくなってしまいました。その間は曲を作ることにしか力をぶつけることしかできなくて、でもおかげさまでたくさんいい曲ができたのでそれをアルバムにして出すことが決まりました!」
斎「2021年の2月24日、タイトルは「USELESS」です。
このあと22時20分に、さっき演奏したおもちゃの街のMVを公開します。
そして24時からはサブスクでも聴くことができるようになります。
また、1月30日にはこの5人で配信ライブをやろうと思います!
お値段の方も張らないようにするのでぜひよろしくお願いします。」
斎「今からアルバムUSELESSから1曲ユースレス・シンフォニーというをやるんですが、
そのMVをこれから撮ろうと思ってね、
色んな都合があるだろうから映りたくない人はマスクを顔まであげてください。」
という怒涛の情報の嵐。
そして斎藤さんは”USELESS”を「みんなが思い当たるほうのユースレスじゃなくて」と言っていたけど果たしてあの場面で”youthless”を想像していた人はどれくらいいたのだろうか…?
そしてこの後、髪ハネを客に指摘され(斎藤さんの前のお客さんがみんなして頭さわるジェスチャーしてた)、それを須藤さんが拾って髪の話に。
須「髪直した方がいいってみんな言ってるよ」
斎「え?いやいいよもう」
須「いやいやいや…」
と斎藤さんに近寄って髪を直してあげる謎のサービスシーン。(笑)
そういうところに無頓着な斎藤さん本当に面白いよね。
そんなこんなで情報過多のアンコール1曲目
01.ユースレス・シンフォニー
これまた特大級のポップど真ん中アンセム。おもちゃの街は浸れるタイプの多幸感まみれなポップ曲だったけど、こちらは思わず楽しく乗れてしまうタイプの多幸感に包まれるタイプの曲でした。
サビの後半「~~ユースレス!~~ユースレス!」みたいな感じで須藤さんのコーラスパートがあるのが良かった。
リリースが待ち遠しいし、アルバムではおもちゃの街→ユースレス・シンフォニーと並ぶようなのが楽しみポイント。このポップ大爆発ゾーンに耐えられる自信がないよね。
MC
斎「いや良かったんじゃない??」
須「よかったね~!」
的なやり取りのあと
斎「次で本当に最後の曲になります。最後はまだやってないアレをやります」
須「アレね、二人でゾンビにもなりましたもんね。」(お化けの手)
斎「今日はありがとうございました。
ライブハウスじゃなくてもね、配信とか何らかの形でまたお会いしましょう。
国に反対されない限りはライブやるので!」
02.Halloween Knight
アップテンポで攻撃的なギターリフがバチバチにカッコよかった。
イントロの照明がオレンジ×緑のハロウィンカラーなのがベタで良かったよね。COAST特有のミラーボールとの相性も抜群で、一番ライブ映えしていた曲だったかもしれない。
半ば弾き逃げ的な感じでこういうカッコいい系統の曲を最後に持ってきてキメに来るのズルいですよね~。でも本編終盤のおいしいところで輝いているところも早く観たい。
おもちゃの街、ユースレス・シンフォニー合わせた3曲の時点で次のアルバムのバリエーションの豊富さがうかがい知れるし、XIIXというバンドの実力と可能性の底深さに恐ろしささえ感じてしまう。
と、全19曲。濃密な音の数々にただただ圧倒され続けたアクトだった。
前半にも書いたように音の多彩さ故、「いまどこの音を奏でているのか」を探すのがむずかしくて楽しいところだった。まぁこのバンドに限った話ではないが、聴けば聴くほど新しい楽しみが見つかっていきそうで、とにかく今後の展開が楽しみになるライブだった。
夕映えに紛れてや”あれ”のアレンジや、未公開曲の存在など、ここでしか味わえない楽しみに満ち溢れていたのも良かったところ。
「あれ?音源全部聴いてたはずなのになんだこの曲???」みたいな感じで予想の範疇を超えることが起きてしまう楽しさを味わえたのも良かった。
ライブは予習するタイプなので(セトリ予想が最たる例)、久々に「知らない曲にやられる感覚」に陥れたのが最高でした。
XIIX的には恐らく徐々に二人の呼吸や、バンドの方向性等、今後の展望が見えてきたところなのだろう。真剣なプレイとほのぼのMCのバランスも面白かった。
こんな社会情勢の中、バンドとしてのスタートダッシュが世界に許されなかったのが残念だったが、来年はさらに輝きを増していくことに違いないだろう。
筆者はひそかに、”こっちのバンド”から”あっちのバンド”への技術のお土産的なものが現れるのにも期待しているので、来年はそういう観点でも音楽を楽しんでいきたいな。
そんなこんなで生きる楽しみをまた一つ見つけることができたライブでした。
斎藤さんが言っていた通り、何らかの形でまた会える日を楽しみにしています。
お読みいただきありがとうございました。
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