みなさんこんにちは、ツバメです。
今回はハンブレッダーズとズーカラデルとUNISON SQUARE GARDENによるスリーマンライブの感想をドバドバ語っていきます。ズーカラデルとハンブレッダーズは初めましてだったのでもろもろ大目に見ていただけると幸いです。
いい写真でしょ?
ハンブレッダーズ
01.銀河高速
音源はたくさん聴いていたけど、”ライブハウスで会う”のは初めましてのハンブレッダーズ。
1曲目から”どこまでも行けると思った夜だった”のギタボから始まって頭を抱えてしまったよね。
3人と1人を合わせて4人の音と一挙手一投足から、今まで音源を通して感じてきた「音楽に救われてる感」が可視化されているようで本当に最高だった。想像していたよりずっとかっこよくてすっかり心を奪われてしまった。
02.ユースレスマシン
銀河高速のメロディをもじった煽りからユースレスマシンへ。この曲もロックンロールを自嘲しながらも愛が溢れちゃってて最高。
銀河高速もユースレスマシンも2Bでベースラインが激しくなるのはやはり影響受けてるのかなとか考えてしまったよね。
ムツムロさんのボーカリングはところどころ音源と変えてくるのがクセになって良い。
03.ユアペース
そのままベースのアレンジ?からスタート。ポップなキラーチューン3連発で最高。
”いつだって君のペースで物語は進んでいくんだぜ”の包容力好きが過ぎちゃう。オタクは物語という言葉に全面的に弱いので…。
04.ファイナルボーイフレンド
束の間の暗転からバラードであるファイナルボーイフレンドへ。
オレンジの照明、綺麗なメロディーと相まってめちゃくちゃ綺麗な光景だった。
この4曲で既にめちゃめちゃ心に爪痕残されてしまったね。
05.ワールドイズマイン
ゆるほのぼの饒舌MCから新曲の2ndシングルへ。(喋りうまくてよかった)
ワールドイズマイン、キラーチューン感万々でかっこよかったね…。
COLORSよりロックな方に振っている感じの曲でライブでどんどん育っていきそうな予感がした。この2曲を軸にアルバムが組まれるの今から楽しみだなぁ...。
07.弱者のための騒音を
『俺らにとってのUNISON SQUARE GARDENがそうだったように、俺らもみんなにとってのロックスターでありたい』ゆるいMCもしていたのに爆音と共にこんな言葉をのこされてしまったら、同じくロックスターUNISON SQUARE GARDENに救われている我々はひれ伏すしかないですよね…。
”こどものままで おとなになろう おぼえたことば わすれてやろう”の明るいのに泣けてしまう感覚が最高。
ステージに光を見ている人だから紡げる言葉の応酬で、これから先も演奏し続けてほしいなとなった。
ちなみにこれって普段からイントロああいう感じなんですかね?めちゃめちゃガリレオのショーケース感あったのは思い込みが激しすぎるだけですか?
08.ライブハウスで会おうぜ
最後を飾ったのはこの曲。ハンブレッダーズの歌詞はやはり終始圧倒的”こちら側”を感じてしまうし、勝手に投影してしまうのが辞められなくて最高。
明るい諦めを孕んだ明暗の入り混じった音像と押韻を多用する歌詞には、やはり”血筋”を感じてしまう。
1サビでブワっと会場が明るくなる演出は、いつもライブハウスで観てるバンドのライブと重なってしまって最高だった。いつまでもこの温度感を浴びていたいし、もっと長い尺で観てみたいのでまた会いにいきたいな。
セットリスト
01.銀河高速
02.ユースレスマシン
03.ユアペース
04.ファイナルボーイフレンド
05.ワールドイズマイン
06.弱者のための騒音を
07.ライブハウスで会おうぜ
ズーカラデル
01.トーチソング
この日の筆者は2階席からの観覧だったこともあり、緩やかなビートで観客全体がさざなみのように揺れていたのが極めて印象に残っている。めちゃくちゃ良い眺めだったな。
”いつかきっと全部消えてなくなるから 見えなくなる前に愛してくれ” 良い歌詞すぎて…。
02.アニー
『アニーという曲です!』と2曲目へ。
多幸感溢れるメロディーと元気なテンポ感にさっきまでさざなみ状態だったフロアが一気に大きく踊り出していたように見えた。
ハンブレッダーズとはまた違うマイペースなスタンスのズーカラデルは、声や曲から伝わる優しさがその振る舞いにも表れていた。
『「ここ腕上げたいけど周りみんな上げてないから挙げづらいな」とかあると思うけど周りのことは気にせずそれぞれ楽しんでいってください』みたいな感じの、"as you like"が漂うMCが心に刻み込まれた。
03.スタンドバイミー
この曲のメロディラインはなんであんなに涙腺に来るんですかね。生で聴けて本当に良かった。
爽やかなそよ風でも浴びてるかのような気持よさだったし、いつか北の大地で聴きたいな。
04.ころがる
短い持ち時間の中でもこういうバラードがドカン置かれたことでズーカラデルの魅力を立体的に捉えられたような気がする。
トップバッターだったハンブレッダーズのファイナルボーイフレンド同様、暗転したステージに刺さるオレンジの照明が本当に良かった。
05.未来
バンド活動を辞めてしまう人が周りに多くいること、反面サポートを迎えて4人でやっているズーカラデルは練習からめちゃめちゃ楽しいんだよ、僕らの目の前には未来しかないんですよ というようなMCから披露された新曲。
こちらもとても良かった。記憶がほぼ飛んでいるのでなんともなんともざっくりな感想だけど、元気付けられるタイプの好きな温度感とテンポの曲でよかったな。
「ライブで初めて聴く→音源で再会する」の流れが凄く久々にできるのも楽しみ。
06.漂流劇団
大団円を飾るべく添えられたアンセム。ラストに置かれるの似合いすぎててよかった。
この曲のエレキとアコギの2本編成めちゃめちゃ良かった。ジャキジャキにクリーンなエレアコのサウンドがすごくいいアクセントになっていたように感じた。
3人でのライブを観たことがない以上、細かな感想にはならないが、4人編成もとても良く合っていた。
そんなこんなで最後まで明るくあたたかく、爽やかなアクトで軽率に好きになってしまったな。
「アリ ガト!」がかわいくてクセになって良...。
セットリスト
01.トーチソング
02.アニー
03.スタンドバイミー
04.ころがる
05.未来
06.漂流劇団
UNISON SQUARE GARDEN
01.場違いハミングバード
SE絵の具で入場してから斎藤さんがずっとドラム側を向いてギターを構えながら待っていたので、この曲を確信して高揚が隠せなかった。
SEが途切れると、オンドラムスタカオスズキによる、
『ワンツースリーフォー!!!!』の4カウントからスタート。
いきなりワンマンライブ終盤にワープしたかのような感覚を持ったのは、目下に広がるフロアがそれまでの比でないレベルで多動に沸いていたからだろう。
この日の出演バンドの中では最少の編成でありながら、いきなり尋常でないレベルの音の圧と数と尖りで最大級のロックンロールを浴びてしまった。
1曲目からギターソロで前に出てきてギター持ち上げていた斎藤さんのギターヒーロー感、堪らなすぎたね…。
02.天国と地獄
場違いの締めと天国と地獄のイントロアレンジのスタート地点が重なってリレーのように天国と地獄へ。ロック全開で完全に”後輩バンド叩き潰すモード”なのが伺い知れてしまってニヤけてしまったね。
いつもタイトルコール「天国と地獄」と言っているところが『UNISON SQUARE GARDENです!』にアレンジされていてまたまたブチ上がり。(このブチ上がり、完全に”アニメのOPに特殊演出が施された時”と同じじゃないですか?)
とか考える間もなく、ステージの上ではさっきまで上手へ爆走してたベースの人が下手へ戻ってベース交換してて笑ってしまった。まさか爆走のせい?と思ったけど何があったんでしょうね…。
毎度アレンジの変わるon drumsのclever shots!、この日はロータムとスネアを無限往復する爆低音マシマシな感じで威圧感強めなのが良かった。多分こういう一瞬のソロもその日の客層、出番までの流れ、自分たちのライブの流れを計算して作っているんだろうなぁ。
冒頭2曲の荒々しくも瑞々しいスタートで、リアルな意味で会場の温度が上がっていたのも面白かった。ライブは五感で摂取するものだなと改めて…。
03.流れ星を撃ち落せ
天国と地獄の音を〆ないで音を残したまま4カウントへ。今夜のライブの攻め攻めな気概を確信する流れ星を撃ち落せだった。(1音目のリフで一瞬先日までやっていたSSSツアーのマスターボリューム前のセッションがよぎったけどそっち行ってたルートも体験したいですね…。)
Aメロはギターが休みなので両手でのアクションが多彩になって良いし、Bメロは先日の関ジャムで取り上げられていたような、歌とリズムの二軸が全く異なるパート。
”いまだ坊やはrrrrrrrrrrrrrockにご執心”の巻き舌、2サビ入りのギターヘッド弾くやつ(呼称わからん)や、”やばいやばい”の連呼と、ギタボの魅せ場満点の流れ星を撃ち落せを存分に満喫できた。
04.セッション~MR.アンディ
流れ星を撃ち落せを〆ながら、4つ打ちのドラムへ移り、そこへ普段イントロの裏で地味に鳴ってるベースの高い音が乗っかる。この時ベースの人が獲れたての魚みたいにぴょんぴょん跳ねてて笑った。
ドラム×ベースのところへ聴き馴染みのあるいつものギターリフが乗っかって、
”君が残像に...”のコーラスへ飛び込んだ。
前3曲の豪快で激しいムードを一変させる軽妙な繋ぎと新木場特有の巨大ミラーボールで鮮やかかつポップに染めたアクトが本当に見事だった。
”かりそめローズマリー噓ついて消えた(キエタッ キエタッ...)”のエコーがめちゃ綺麗だったね。
そして後輩バンドの眼の前にして、インディーズ時代から演奏し続けているMR.アンディを捻ったアレンジで演奏するのも、深い意味や意義があったように思う。
こういうところが彼の組むセットリストの本当に好きなところ。この位置にオリオンをなぞるとか桜のあとみたいな方向のポップではなくMR.アンディを選んだというのがこの日一番の文脈案件な気がする(オタク)
あとこれはどうでもいいけど、冒頭3曲無限に激しめの照明がバチバチ照らし続けてたのでここでようやく斎藤さんのシャツがおニューっぽいことに気が付いた。 遠目に見たらほぼ白シャツだったので、血迷って昔のシャツ引っ張り出してきたのかと思ったけど完全に勘違いでしたね。笑
MC
斎藤『どうも大先輩です。先輩たちは1曲目から機材トラブルだし(ベース指しながら)、マイクスタンドはビミョ~~に低いから膝曲げながら歌ってたし…だからスタンド直すね…』
鈴木『俺も1曲目のカウントで舌噛んだからね、いまも噛んだし』
斎藤『かわいくて優秀な後輩たちに囲まれるのは本当に嬉しいんだけどめちゃめちゃやりづらいです。コロナが落ち着いたら後輩たちをおいしいレストランに連れていってキッチリ全員割り勘で社会の厳しさを教えてあげようと思います。
では最後まで楽しんでいってください。』
05.夏影テールライト
そんな大先輩の圧巻のMC(?)から続いたのはこの時期ピッタリの夏影テールライト。
ここでも暗めのステージにオレンジのライトが綺麗に映えていてよかった。3バンド通じて観るオレンジ照明バラードのカタルシスを感じた。
さっきまでの尖った演奏と真逆のポップさと緻密なコーラスワークのギャップが良かった。何より”君の声を聞いて始まるこの季節を好きでいたい”を7月の頭に聴くことができるのは何よりも幸せ。
おそらくFCのライブでも演奏しそうだけど、ちょっとだけフラゲできた気分。そして相変わらず斎藤さんのギターリフから光が放たれてるような錯覚に陥った。
ギタボだけでも凄いのに、このバンドはベースもドラムも自分の楽器のリズムと異なるメロディーを歌ってコーラスしてるの、本当に技の鬼でドン引く。この日初めて3ピースロックバンドUNISON SQUARE GARDENを観た人がいたらきっと圧倒されたんじゃないだろうか。
06.Phantom Joke
”幻に消えたならジョークってことにしといて”から繋がる100点満点の予定調和。夏影テールライトの時点から察していた人も多くいただろう。8thアルバムPatrick Vegeeの繋ぎを再現しつつこの日のライブのラストスパートを予感させた。
ビバラで聴いた時に感じた異常なドラムの強さはこの日も健在。ライブハウスの音響もあってか、あの日よりパワーが上がっていたような気すらした。
やはりライブの尺と演奏位置に応じてパワーを使い分けているのだろうか。
ボーカルのクオリティも、これまで聴いてきたどのPhantom Jokeより力強さを感じた。全体的にこの日の斎藤さんは冒頭からずっとエンジン全開で気持ちよさそうに歌ってて良かったな。
この日のライブタイトル"Triple Trick Tripper"にこじつけて”まだまだ旅は終わらない”と歌う大先輩の圧巻の演奏だった。今まで観たPhantom Jokeの中で1番良かった。
07.リニアブルーを聴きながら
Phantom Joke後、ジャーン!とギターを鳴らすライドオンタイムの前のような間をおいて3人の音とターコイズチックなブルーのライトが交錯するイントロへ。
もう本当に優勝な不意の打ち方をするリニアブルーを聴きながらで、視界が涙でぼやけまくりだった。
”どこまでも行けると思った夜だった”と”独りでも希望に満ちた明日を歌え何度も”と鳴らす2バンドの後に聴くリニアブルーを聴きながらの”史上最重要な明日がきっとあるから 今日を行け何度でも メロディ”なんですよね(早口)
2サビの空切りアクションも相変わらず。見どころ満載で最高なリニアブルーだった。最後はアウトロでヘッドホン装着してラストの曲へ。
夢のような一夜を締めくくるのは言わずと知れたパーティーアンセム。
この日のような対バンライブの物語を畳む役割を担うのに相応しいがすぎる圧巻のアクトでコーストを牛耳っていた。椅子の存在を感じさせないくらい、目の前に広がる光景はあの頃まで見ていたライブハウスのそれに近かった。
他バンドの演奏含めた一連の流れで聴くからこその「UNISON SQUARE GARDENのシュガーソングとビターステップ」の無敵感には本当に抗えない。満点のトゥルーエンドだったね。
1サビの”連鎖になってリフレクト”の裏のドラムが無限にシンバル叩くアレンジ(筆者が一番好きなやつ)で嬉しかった。2番あたりからシンバルでもスネアでもなく”空気”を叩く回数がどんどん増えていって笑ったよね。
そしてライブハウスは満点のトゥルーエンドを讃える喝采に導かれるようにアンコールへ。あると思ってなかったので嬉しかった。ワンマンライブ以上に「呼ばれたことで発生したアンコール」感が強く感じられたのもなかなかできない良い体験だったのかもしれない。
Encore.君の瞳に恋してない
斎藤『アンコールありがとうございます。対バンライブ楽しいね。もっとやってたいんだけど、みんなにはまっすぐ帰ってほしいので1曲だけ!』
祭囃子のそのあと、昂ったままに聴く君の瞳に恋してないは余興と呼ぶに相応しいダメ押しのポップアンセムだった。
Aメロでは斎藤さんの左前でモモ上げを繰り返し、Aメロ終わりの歌がなくなるタイミングで斎藤さんから「うるせぇ!」と言わんばかりのギターツッコミ(空振り)が入って笑った。
間奏では斎藤さんがジリジリ中央に詰めつつ、ギターソロ用のスイッチを踏んだ途端に下手へ駆け、それを見た田淵さんが上手へと駆けた。この時下手と上手それぞれの前方のお客さんが時間差で沸いてたのが微笑ましくて良かったな。
ドラムの人は間奏あたりからずっと立って叩いててサビも立って歌ってたように見えたけどいつマイクいじってたんだ…。相変わらずステージ上の情報量が多すぎて追い付けない、ある種の通常運転モードだった。笑
そんなこんなで全9曲。大先輩、本当に圧倒的なライブを見せつけたロックスターだった...。
セットリスト
01.場違いハミングバード
02.天国と地獄
03.流れ星を撃ち落せ
04.セッション~MR.アンディ
05.夏影テールライト
06.Phantom Joke
07.リニアブルーを聴きながら
Encore.君の瞳に恋してない
終演後は規制退場。
ビンテージロックの方(多分若林さん?)の「これからも我々はライブをしたいバンドとライブを観たいお客様の架け橋になっていきたいです。」という締めくくりの挨拶でホロリ。
いつも本当にありがとうございます。
結局のところ「UNISON SQUARE GARDEN最高」に帰結してしまう夜だった。だが、確かに普段以上に充足感が滾っていたのは、3バンドの音楽がそれぞれ最高に良い刺さり方をしてしまったからだと思う。
それくらいハンブレッダーズとズーカラデルのパフォーマンスとその温度感には、UNISON SQUARE GARDENに通ずるものを感じた。もっと言えば、「3バンドがずっと共通して持っている熱だけど、UNISON SQUARE GARDEN的にはこれまでわかりやすく表には出してこなかったり、わざわざ言語化していなかった部分」を後輩バンドのライブから感じとることができて良かった。
音楽って最高ですね、いつかまた3バンドの音楽が交錯する日が来てほしいな。
ということで今回はこの辺で。ありがとうございました。