つばめも

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【ライブレポート!】Revival Tour CIDER ROAD 2021/08/13 宇都宮市文化会館公演

みなさんこんにちは。ツバメです。

タイトル通り、待ちに待ったCIDER ROADリバイバルツアーについて書き散らかしていきます。

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読み飛ばしていいまえがき

実質JET CO.の救済ツアーだったNormalツアー、Populus Populus期のライブを再演したRevival Springツアーを経て迎えるRevival CIDER ROADツアー。まるでディスコグラフィーをそのままなぞるかのように仕組まれた流れであり、彼らの8年前と現在地を同時に確かめることができるツアーになっている。
そもそもCIDER ROADというアルバムは「J-POP界が土下座しにくるだろう」とUNISON SQUARE GARDENのバンド史でも最も息巻いた作品で、その言葉に相応しいポップさ、ボリューム感、ストーリー性が最高なアルバムだ。
結果的にその世界がひっくり返るようなことにはならなかったが、このポップへの振り切りを以てしてUNISON SQUARE GARDENUNISON SQUARE GARDENたらしめる音楽が完成したと言っても過言ではないだろう。

5月まで開催されていたRevival Springツアーに引き続き、バンドの本編となる最新アルバムのツアーを敢行できる時が来るまでの楽しい企みごとのひとつという側面を持ちながら、存分にロックバンドの現在地を証明するツアーとなった。

 

SE.絵の具
通常営業の始まりをいつも通り飾る絵の具。いつも通りのタイミングで3人が入場を果たす。この日の装いはDr.白セットアップ、Ba.黒テラリウムT+チャコールグレーのスキニー、Gt.Vo.がマゼンダ×黒地の最近ローテーション入りしたシャツ。

絵の具からto the CIDER ROADへの繋がりは間違えなくこのツアーのハイライトのひとつだろう。
”暗闇が色を奪う”のフレーズのあたりで絵の具が切れ、CIDER ROADへ向かう同期音と、まるで会場すべてが炭酸の中へ溶け込んでいくような水玉模様の照明と共にライブがはじまった。

01.to the CIDER ROAD
同期音を振り切るようにロータムの分厚い重低音が身体に響き、後を追うようにギターとベースの1音目が鳴り響く。バンドの背後に現れる巨大なCIDER ROADロゴ圧倒的な存在感を持って輝き、いよいよ我々は炭酸の中へ溶け込んでいった。
歌い出しから宇都宮市文化会館の音の響きの滑らかがわかってとても良かった。
サビ終盤の裏声の当て方がどんどん美しくなっていてすごい。この後何回もいうことになるけど斎藤宏介さん本当にお歌がお上手。
”ハイカロリーな時期”を象徴するイントロやBメロ等の多彩な展開の詰め込み、それでいて”もう迷わないで”と、ど真ん中を突っ切ってくサビのメロディラインのすべてが好き。
人生で一番好きな曲にこのツアーを以てしてようやく出会うことができた喜びは底知れぬものだった。
(ようこそがカットされたの何故なんだろうすぎたけど....)

02.ため息 shooting the MOON
1曲目を終えると各楽器の音を残しながらギターはカポを外して4カウントでイントロへ。”ヨン、マイ、メェェ!”と叫び赤と青のCIDER ROADカラーが激しく刺さる2曲目へ。
音源さながらの高速ビートの上を飛び交う歌詞と横振りのリズムが一癖も二癖もあって楽しい。めちゃくちゃ音詰め詰めなのに、8年経った今では「音詰め詰めだな」感があまりなくて笑っちゃう。テンポ、歌詞共に速いタイプの曲を乗りこなしすぎたバンドと、そのバンドの音楽を聴きすぎた人による奇跡のミスマッチがもたらした作用かもしれない。

ソロ回しではドラムのロータムのぶ厚い音がここでも輝いていた。ベースは歪み用のペダルを踏んでのスラップがクール。ギターはギュイーン感が音源より伸び気味なアレンジ。(だった気がする)(そして伝わらない)
これは余談だけど飛び道具のエフェクター踏んでない時も含めてベースの音作りが茶ベース時代に近づいていたように感じて良かった。何か機材入れ替えたりセッティング変わったりしていたのだろうかね?

03.cody beats  
ため息を鳴らし終えるとシンバルで余韻を残しつつ再びカポを装着して3曲目の3rdシングルへ。カポが絡む繋ぎのスムーズさも年月を経てひたすらスマートになり続けている。

8年前はライブ常連だったcody beatsだが、今ではいつの間にかレア曲的立ち位置に落ち着いてしまっている。
そんなcody beatsが猛威を奮っていた過去(現在でも暴れていいんだよ)を追体験できるのもリバイバルツアーならではの味わい。
このツアーでは背後のCIDER ROADロゴを水色、青、薄紫の青い色が照らして”夜”を想起させたのが良かった。
SSSツアーでもそうだったけど、ご時世が引き起こした客層の濃さや心地よいテンポ感がもたらす「cody beatsが会場を支配してる感」が堪らなくて毎回泣きそうになる。あったけえのよcody beats。
SSSに引き続き、過去に残したライブツアーという点をリバイバルして線で結んでいくという意味で、”何事もどうにもこうにも歪んで繋がっていく”が深みを増すのが良い。このツアーを境にしばらく聴けなくなってしまいそうな気配を感じているけど、どうか気のせいであってほしいね。

そして3曲鳴らし終えた後の3人を歓迎する会場の暖かな拍手喝采、本当に良かった。ちょっと浸る3人と、拍手に比例して徐々にしぼんでいく照明には、あの場でしかわからないドラマチックさがあった。

MCざっくり
斎「今回は8年前のCIDER ROADツアーのリバイバルということで8年前と全く同じセットリストでライブをするという世にも珍しいツアーです。どうか最後まで自由にたのしんでいってくれたらと思います!」 

04.ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~
ピンクやバイオレットの照明が飛び交うラブソングは突然に。
冒頭ロングトーンは原曲通りの尺。

落ちサビで急にくる三連符のキメに対してやたらに腕の動きが一致してしまうお客さんばかりでニヤニヤしちゃったよね。(冒頭と終盤の感想しか書いてないのは後続に控えるこってりゾーンに前半の記憶をたくさん奪われてしまったためです、あしからず...。)
そしてこういう感じでしれっとB面曲がセットリストに入ってくるアルバムツアーのライブ、良いよね。でもB面ツアーの結び役だった記憶が色濃いせいで「あれもうラストかな?」になったのはご愛嬌。

セットリストを文脈的に見ていくと、ここからのラブソング3連発の引き金役になっている。また、「名前」というフレーズを頻発するCIDER ROAD曲たちとリンクするかのような「what is the name of that mystery」が引っかかる。

05.セレナーデが止まらない
突然現れたラブソングから繋がるのは”話題の知った風なラブソング”を嫌うセレナーデ。ここのシームレスな繋ぎと赤いデンジャラスな照明、バッチバチにかっこよかったね...。B面ツアーのover driver→ピストルギャラクシーみあった。

2Bのベースが歪み全開なのもよかったしギターソロもドラムの手数も絶好調で最高だった。終盤のドラム明らかに目の色変わっててかっこよかった。

on the SEATの時セレナーデにはやや重めの文脈性を感じてしまったが、今回はどちらかというと純粋に音に乗って聴くことができた。セットリストの流れ、時代の進展、ツアーのコンセプトと要因は色々あれども、聴くたびに景色が変わるのは楽しい。

06.Miss. サンディ
バッチバチに決まったセレナーデの余韻を残すことなくラブソングの括りでサンディへ。冒頭セッションでの歪んだベースのスラップが挟まるのが心地よいことこの上なくて何度聴いても最高になってしまう。

このツアーでいつの間にか恒例になっていたのはサビのリズムに合わせたベースおじさんの謎足踏み行進。めちゃめちゃわかりやすい&楽しいのでつい真似しちゃうよね?
しない了解。

それにしてもこのMiss.サンディ筆頭にミドルテンポ曲が総じて優勝すぎるツアーだった。8年かけて鬼速い曲を鬼の手数音数で演奏してきたからこそ、こういう比較的余裕もって歌って弾いてができるテンポ感の時の満ち溢れるキラッキラしたオーラが堪らなく楽しくて幸せになってしまう。

07.カウンターアイデンティティ
サンディを迎え入れる温かな拍手を切り裂くように歌い出しへ。
Aメロでは”光の束”を想起させる白銀のライト、サビでは”太陽に背を向けながら”を映し出すかのようなオレンジのバックライトがよかった。特にバックライトの時は逆光になって3人の顔が隠れているのが最高で最高で...。

2Bではドラムの花が狂いに狂いに狂い咲き、手数マシマシなアレンジでブチ上がった。
間奏でもスネアの音が会場に鳴り響いていて綺麗だったね。

(MR.アンディ(月が出るみたいです))⇔Miss.サンディ(Sundy)→太陽に背を向けながら(カウンターアイデンティティ)→オリオンをなぞるこんな深い夜 みたいな流れになっているように見える。

08.オリオンをなぞる
カウンターアイデンティティの最後の一音を鳴らさずドラムロールがギターの音をぶった切るように入ってきてそのままオリオンへ。一瞬のことすぎて何が起きたかわからなくなるような痺れる繋ぎだった。

1番はドラム並盛、2番はドラム大盛、ラスサビはドラム爆盛りな三段階進化で相変わらず楽しいアレンジだった。

最後カメラのフラッシュが焚かれた時みたいな壮大な照明の余韻の残し方が本当に綺麗。たくさん演奏している曲であっても演奏演出が毎回毎回少しずつ捻られているから何度聴いても最高だし何度だって聴きたいんだよなぁ。
リバイバルツアーという情景で聴く”最後に笑えるくらいの青春を夢を見て恋をしてあきれ返るような日々を謳う”でめちゃめちゃ泣いちゃう。

どうでもいいけど最近再公開された19年のロッキンのオリオンの動画と比べるとAメロのクラップ皆無なのが客層の濃さを見事に反映してて笑っちゃう。セットリストだけでなく客層まで味濃いめなツアーでよかった(うまい)

8年前であっても、オリオンをなぞるがこの位置にいるのも当時から一筋縄ではいかないセットリストおじさんの意図が垣間見えて良い。
当時の時系列だとPopulusツアー:17曲目(本編19曲)→SSSツアー:15曲目(本編16曲)→001ツアー:アンコールラスト→CIDER ROADツアー:8曲目(本編19曲)となる。この流れで次の桜のまえツアーでセットリストから外されるのめちゃめちゃ良い。のちにシュガーソングも似たような道を歩んでいるしこの辺のセルフプロデュース力が流石セトリおじさん。

MCざっくり

斎「CIDER ROADというアルバムはUNISON SQUARE GARDENの8枚のアルバムの中でも、とても濃いアルバムで、アルバムの尺も1番長いし、ライブとしてもこのあと長いバラードが続いたりとか。ラーメンで例えたら味濃いめ油多めみたいな?(ややドヤりSK・ピンときてないTBC)」

斎「このあとも起承転結じゃなくて起承転結結結結結結!みたいな終わる終わる詐欺があったり。でもそういう濃密なところが愛しいと思っています。最後までよろしくお願いします。」 

09.光のどけきの日に
入りの部分でギター弾きながらギターのボリュームのツマミを捻ってフェードインしてくる音を演出してるのが洒落ていて良い。

斎藤さんの歌の表現力がバケモノ級に進化しているので「長い長い」みたいな振りがあってもバラードゾーンには無限に浸れてしまう。歌がうまいってすごい。
一番の歌うまポイントは”できるだけ太陽が”の裏声の当て方(ファルセットってやつ?)
めちゃめちゃ綺麗だった…。

ラベンダーっぽい淡い紫とグリーンの照明も暖かな春を感じさせて良かった。

それにしても、8年の月日を重ねた上で聴く”大人には内緒だよ あの秘密基地は”の眩しさには敵わなかった。(8年前は知らなかったオタクなのに)
筆者的には初めて観にいった武道館以来の再会だったので、あの日のライブとこのツアーを結びつけて勝手に浸ってた。よくぞここまでついて来たな自分...的な。
日々大人と呼ばれし歳に近づいてしまっているけど、いつまでも内緒にできる秘密基地(ライブハウス)は持っていたいし、音楽に心を撃ち抜かれた少年の心も持っていたいわね。

10.いつかの少年
ステージ向かって左上のライト数台のみがオレンジの光を発して、他の明かりがない状態なのがよかった。

スピーディーでスリリングな展開を好むUNISON SQUARE GARDENのライブにおいてそれと正反対のスローリィーなテンポ感のこの曲は、なんと8年前のCIDER ROADツアー以来のライブ披露らしい。

3つの音がCD音源や8年前のライブからさらに洗練されて届くのが堪らない。
その間磨き上げた斎藤さんの歌の表現力がまたしても力を発揮していたし、2サビとラスサビ前の溜めのところでブレスの感じもよかった。
それと地味に好きだったのは2番に入る手前のギターの音色、ここだけちょっと空間系のエフェクトが入っているのオシャレで好き。

CIDER ROAD”というアルバムツアーの中盤だからこそ、"これが物語のひとつならば 僕は今いずこの道の上"と現在地を探すようなフレーズが光る。行き着く先に何もないこと、それでも今このライブが存在していることがわかってしまっている8年後であっても、このフレーズには胸を打たれる。今が最高なら過去に間違いは無いなんだよな…(まだ世界は君のものより)

そしてこの”間違ってないはず”というフレーズが後にUNISON SQUARE GARDENのポップ総決算的立ち位置にいる春が来てぼくらにも転用されているのがアツすぎてアツすぎて。いつかセットで並べてほしいけど、いつになるだろうか...。

11.クロスハート1号線(advantage in a long time)
束の間の暗転時間を挟んでから歌い出しへ。よりスローなテンポの曲を続けてきていた分、このツアーではサビと間奏の弾けるようなポップ感が増して多幸の極みだった。
バラードゾーンをくぐりぬけて「軽やかなやつきた!」になっているのはおそらくステージの上とフロアとの共通見解で、ギターソロやアウトロはじめ、めちゃめちゃ3人の表情が良かった。
ライティング面でもステージの両脇から上空に向けて淡い虹色の光線が放たれていて暖かな気持ちになった。
最後はカポ曲の箱庭ロック・ショーへの繋ぎで、若干ベースがハイフレットを和音で弾いて余韻を残しつつ、カポをつけたギタボとドラムがアイコンタクト取る一連の流れが良。

12.箱庭ロック・ショー
再びライブの流れが加速してくターニングポイントとなる箱庭ロック・ショー。カウント入った瞬間からフロアが全員ソワソワしだすの本当に好き。
「箱庭」ってこんなジャングルみたいなイメージなの?となるくらい強めの緑と黄色が全開に動く照明が面白かった。

サビで跳びはねるのを今か今かと待ちわびるBメロのフロアも好き。長めのバラードゾーンの効果で動きたい気持ちが醸成されている分、サビの爆発力がすごくよかった。多分在りし日の状態のライブハウスで聴いてたら前方ごっちゃごちゃですごいことになってただろうな。

1サビ終わりに人差し指立てるベーシストのアクションが一番好きだし、2Bで腕を交差させながらロータムを捌くオンドラムスも好き。あとギターソロでど真ん中出てくるの本当に無敵。いつものことながら本当に追いかける目と耳が足りな過ぎる。

13.フルカラープログラム 
ワンテンポ置いて、カポ2繋ぎでスムーズにイントロのドラムロールへ。ギターのあのリフが鳴った瞬間の勝ち確モードが本当に最高(何に勝ったんだ?)
あと歌い出しに入る直前のギターを膝曲げながらやたら大きなアクションで弾く斎藤さんがめちゃめちゃ良かった。

サビに入るところのドラムはMMMツアーやSSSツアーでもやっていた仕様のスネア連打。ふと会場を見渡すと無数の腕がブンブン上がってて熱量に引っ張られて泣けた。

一番アレンジが派手に変化していたのは落ちサビの歌い方。
”涙キラキラ西の空に光る”まではいつも通り高らかに歌い、”モノクロでは説明できない”をデクレッシェンド、”完全無欠のロックンロールを”をクレッシェンド気味に歌う(ドラムもそのテンションについてくる)感じだった。この時斎藤さんの手も弱く歌うところは抑えるようなジェスチャーしてたのが良。(これって当時のアレンジにありましたっけ?)
いつかの少年、箱庭ロック・ショーと合わせて、この辺だけ「存在しない再現ライブ~1st アルバムUNISON SQUARE GARDEN~」に来たかのような錯覚に陥った人はきっと筆者だけじゃないはず。

~ドラムソロ・セッション~
フルカラープログラムをバシッと決めて「オンドラムス タカオスズキ!」のコールと共にドラムソロへ。
相変わらずの暴力的な手数のドラムを爆音で浴びて最高になれる瞬間。途中のキメでまあまあの強さで自分の胸叩いてるっぽくて笑ったけど、アレ普通にかなり痛いよね?笑
セットリストの流れに沿うように今回は短めの尺で、すぐにギターとベースが合流してセッションへ。
ちゃんと8年前と同じリフでのセッションで徐々に会場を熱して次の曲へ飛び込んだ。

14.場違いハミングバード
スティックと共にドラマーによる「ワンツスリーフォー!!!!」の大絶叫(多分ワンツースリーフォーって3回くらい言ってた)、上手へ全力疾走するベーシスト、そんな2人には目もくれずイントロを弾くのに夢中なギタリストという歪な構図が愛おしすぎる場違いハミングバード。サビの左足も、負け惜しみならこちらのアドレスの指差しもいつまでも健在。笑
この日もBPMブチ上げの爆走、体感だと過去最速といってもいいくらい爆速ハミングバードだった。
いつもライブ終盤で聴いていることも相まってクライマックスの雰囲気すら感じてしまうがまだ14曲目なのである。最後の5曲も濃いけど、この中盤で1度目のピークが来てしまうのが最大のコッテリ要素な気がする。

完全に余談だけど、ギターソロを終えて大サビに戻る際に斎藤さんの足がピョイと跳ね上がるのがかわいかった。

 

MCざっくり
斎「みなさんお気づきかとは思いますが、ここからが起承転結の結結結結結の部分です。
リバイバルツアーということで、8年前のMCも再現したいと思います...。」

「踊れる?」

15.like coffeeのおまじない 
8年前のギラつきをリバイバルさせると、「Ladies and Gentlemen! Boys and Girls! Get ready? ”TOCHIGI” like coffee c'mon!」とlike coffeeへ。
ポップ全開のホーンと共に背後のCIDER ROADロゴがポップ全開のライティングに染まり一気に華やかなムードに包まれた。アメリカのお土産でよくもらうグミみたいなヤバいポップカラーだなって思った
の誰かに伝わってほしい)
軽快なリズム、ビートに合わせて誰よりも踊りながらステージを右往左往するベースおじさんとここでもギターソロを気持ちよさそうに引き倒す斎藤宏介さんの顔が良かった。

この曲で毎回聴きこんじゃうのは最後のサビの掛け合いの部分「恋が始まるかも」でリズム隊が一瞬だけ主旋律を担う部分。(もっとこういうパートがある曲出してほし~と初めて武道館でライブver.を体験したあの日からもう6年経ちましたが一向にこのシリーズは増えませんね...。)

16.crazy birthday
ピンク×ホワイト×ライトブルーのカオスなライティングがイントロと共にチッカチカしてた印象が強すぎるcarazy birtday。
ひっちゃかめっちゃかな楽しさはいつ聴いても変わらず。2サビ入る前のギターの「ギュィィン」ってやつがとても好き(いわゆるピッキングクラッチってやつ?)
ギターソロ後の”ノーモアHAPPY BIRTHDAY?”の後の部分は8年前の再演で

斎「ノーモア ハッピータカオ!」
タカオ「ノーモア ハッピータカオ!」(謎のオウム返し)

斎「ノーモア ハッピータブチ!」
タブチ「ノーモア ハッピーバースデー!」(そういうノリには頑なにノらない)

最後はこちらもリバイバル演出の「おしまい...じゃない!」で締めくくり。MCの「起承転結結結結結」ネタを回収するかのように聞こえるのはリバイバルツアーならではの面白みだった。

17.kid, I like quartet
続いて飛び込んだのはSSSツアーで”結”を飾っていたkid, I like quartet。

「持ってるポップな曲全部載せしちゃえ~!」感が堪らないし、cody beatsやカウンターアイデンティティ等と同様にこの曲がライブ定番アンセムだった頃を追体験できるのが最高(そこ2曲と比べたら全然演奏されている方だけど)
とめどない疾走感がCIDER ROADのイメージともピッタリだし、揺るぎない自信を持って奏でる”as you like”がいつ何時も愛おしい。UNISON SQUARE GARDENの核心を表したフレーズの数々が何年経とうが色褪せずに輝いているのがどうしても最高。

サビのベースの最初の部分が解放弦(左手で抑える弦がない)なのでやらた動きがうるさくなってるのが毎回好き。お決りのベースバズーカ(?)もきっちり盛り込んで、喜怒哀楽ではなく嬉しい楽しいベースおじさんだった。

18.リニアブルーを聴きながら
kid, I like quartetから余韻を残しつつも素早い展開でイントロへ。
イントロに合わせてステージ両サイドの上方にあるムービングライトがアクアマリンのような淡い水色を発しながら高速で下から上へ点滅していくのが最高だった。
1曲目の照明で炭酸の中へ溶け込んでいくようだったなと感じたが、そこからさらに炭酸の中を突き進んでいくような印象を与える疾走感あるライティングだった。
どの曲にも言えることではあるけど、この曲は特にサビのスネアの連打から突っ走っていくテンションが全開で伝わってきて毎回最高になれる。全歌詞良すぎて毎回泣いてしまう。

そして最も感動したのはリニアブルー演奏終了後に、今にも会場から溢れ出そうな暖かな拍手喝采を万感の表情で受け止めながら悦に浸る3人の姿。熱と温もりとその他大勢すべてのパワーが弾け切って生まれたあの空間、まさに”意図も狙いもせず”出来上がったもので脳裏に刻み込まれた。
こういう幸せなアクシデントに遭遇してしまうと「生きててよかったな...(重)」となるし、「この一瞬のために生きてきたんだよな...(重)」ともなる。兎にも角にも、この日一番のシーンだった。

19.シャンデリア・ワルツ
そしてその万感の表情で浸りきったあと、「ラスト!」と一言置いてイントロへ。
to the CIDER ROADで始まってシャンデリア・ワルツで結ばれるアルバムが最高なんだから、to the CIDER ROADで始まってシャンデリア・ワルツで結ばれるライブが最高じゃないはずがないんだよな...。盲目なCIDER ROADオタクなので背後に背負うCIDER ROADのロゴがどの曲よりも輝いて見えたし、どの曲よりも感情を昂らせてしまった。

2B”譲れないものもある”を8年前と同じアレンジで”ハァ~!ゆ⤴ずれないものもあ⤴る”と歌いあげるのが美しすぎた。
UNISON SQUARE GARDENがポップに振り切る覚悟を決めたのがCIDER ROADというアルバムで、そのアルバムのツアーで”ちゃんと名前もある 譲れないものもある”を強調して歌い上げる意味と意義よ...。
何年経とうが何一つとしてその情熱を譲らないUNISON SQUARE GARDENだから最高な歌詞なんだよな...と。

歌い方のアレンジという面では落ちサビからラスサビへの橋渡しとなる”世界が始まる音がする”の部分もアレンジが入っていた。「世界」の「せ」を半拍から1拍程度遅らせて詰めて「セカイがはぁじまる音~がすぅる!」歌っていて焦燥感と迫力が掛け合わさって強く印象に残っている。
相変わらず”わからずやには見えない魔法をかけたよ”でこめかみを指すベースの人が幸せそうで最高だった。

アウトロ最後の1コードをかき鳴らす直前に1拍のブレイクを挟んでいくのがカッコよすぎた。ギターとドラムを名残惜しむように鳴らしまくって、その間にニッコニコのベースおじさんがステージを右往左往して観客と束の間のやり取りをする時間がこの世で一番愛おしい。
セットリストの最後に配置される曲の都合上、こういうシーンを拝むのは久しぶりだったので懐かしさもこみ上げてきた。やっぱりこの位置に置かれてしまうと、どうあがいても圧巻のアクトになってしまうシャンデリア・ワルツが一生好き。

リリース時のインタビューなどで「10年後も演奏していると思う」などと語っていたが、それが現実のものとなるのもそう遠くない未来の話になっているね...。

encore

斎「アンコールありがとうございます。味濃いめ、油多めのセットリストの意味がわかっていただけたでしょうか。アンコールは小ライスかなぁ。(首をかしげるTBCと絶妙な空気のフロア)」

~中略(記憶がない)~

斎「また秋からは最新アルバムのツアーも始まります。できるだけ当たり前にライブをやっていきたいと思っているので、みなさんまたお会いしましょう。今日はありがとうございました!」
20.君はともだち
歌い出しの「名前を呼ぶよ」への音の当て方が常に好き。8曲近くアッパーチューン浴び続けたあとに聴くバラードということもあり、普段の倍浸れた。(疲労困憊のせい)
CIDER ROADと銘打たれたライブだからこそ、シャンデリア・ワルツで強調されたあとだからこそより響く、”大切でほら 譲れない名前を”というフレーズから感じるエネルギーは計り知れないものだった。

また、on the SEATで聴いた時より歌の表現力がまた一段と広がっているように感じた。サンディの項で記したように、テンポ等に余裕のある曲だと演奏のレベルアップが目に見えてわかるので鳥肌。
20曲目にしても歌声もステージングにも疲労の色が見えないギターボーカル斎藤宏介さん、本当に最強...。
ストリングスが鮮やかに響いていてるのも最高だった。最初にも書いたけど宇都宮市文化会館、めちゃめちゃ音響サイコー。

演奏終了後は「もうちょっとだけやります!」と残してEのコードを鳴らした。
21.ライドオンタイム
本日二度目の”Ladies and Gentlemen!”から煌びやかな四つ打ちアンセムのライドオンタイムへなだれ込む。
いつの間にか大おふざけ曲へ進化(?)しているライドオンタイム、この日も下手でベースを逆手弾き(?)したり、ギタボのマイクさわってちょっかいかけたりやりたい放題スクエアガーデンだった。(これもあんまり記憶がない)(※追記:弄ってたのはマイクじゃなくてカポだったみたい)
22.ガリレオのショーケース
ライドオンタイムを締めて、ドラムでワンクッション挟みつつも流れるように馴染みのあるディストーションのかかったギターサウンドが鳴り響きガリレオのショーケースへ。
筆者視点だと遠くてよく見えなかったけど、カポをめぐって謎の絡みが発生していて、ベースの人がギターのカポをつけてあげていたっぽい。なんだそのバンド?
一方そのころ後方では上着を被ってドラムを叩く→上着がずり落ちる→また被って叩く→また落ちるを繰り返す人がいたりした。なんだそのバンド?

本編中盤の場違いハミングバードを爆速ハミングバードと呼んだが、この日のガリレオのショーケースも爆速のショーケースだった。
それにしても2時間ぶっ続けでライブやって最後までベースと一緒に走り回ってる36歳の人が元気すぎて元気すぎて...。
最終的にはオンドラムスタカオスズキに対してひたすら両手でガッツポーズを向けるただのユニゾンスクエアガーデンのファンになってて爆笑した。(この曲じゃなかったかもしれないけど、ドラムに近寄るベーシストとそれに呼応してドラムを激しくアレンジするドラマーがバッチバチに仲良さそうで名シーンだったな。)

味濃いめ油多め多めセトリの小ライスと称されたアンコールだが、小ライスどころでは収まりきらないボリューム感で大満腹の一日だった。
ガリレオのショーケースで締めくくられるライブもなんだか久しぶりな気がして笑顔。

相変わらずの楽しさで埋め尽くされた怒涛の2時間だった。 

セットリスト

01.to the CIDER ROAD
02.ため息 shooting the MOON
03.cody beats
04.ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~
05.セレナーデが止まらない
06.Miss. サンディ
07.カウンターアイデンティティ
08.オリオンをなぞる
09.光のどけき春の日に
10.いつかの少年
11.クロスハート1号線(advantage in a long time)
12.箱庭ロック・ショー
13.フルカラープログラム
~ドラムソロ・セッション~
14.場違いハミングバード
15.like coffeeのおまじない
16.crazy birthday
17.kid, I like quartet
18.リニアブルーを聴きながら
19.シャンデリア・ワルツ
encore
20.君はともだち
21.ライドオンタイム
22.ガリレオのショーケース

 

おしまい...じゃない...(読み飛ばしていいあとがき)

「ハイカロリーなセットリスト」だとか「起承転結結結結結」と愛のある揶揄が飛び交ったRevival Tour CIDER ROADであるが、それもこれも8年間かけて1曲1曲に凝縮されるエネルギーが成熟したからこそのものだろう。
8年前、”行き着いた先に何もなくても”と結ばれて、CIDER ROADを巡る物語はツアーの完結を以て一旦幕が切れた。
ここから逆張りでロックに振り切った「Catcher In The Spy」や大ヒットアンセムシュガーソングとビターステップ」「Dr.Izzy」を経て”わからずやには見えない魔法をもう一度”と再びポップに突き抜けた「MODE MOOD MODE」とその先にいる「春が来てぼくら」でこのCIDER ROADの続きが編まれるのである。
その間1度も演奏されることがなかったCIDER ROAD収録曲のお人好しカメレオンも15周年記念ライブで満を持して1曲目を飾り、ここでようやくCIDER ROADの全楽曲が演奏された。今振り返ってみると、あの日を以てCIDER ROAD期のJ-POP界ひっくり返したいモードが完結(或いは決別)してしまったような気もする。
話が斜め上に展開しているが、要するにそれだけバンドの根幹にいるのがこのCIDER ROADだということだ。
そしてそれは恐らくバンドが続く限りそうあり続けるのだろう、それを確かめるような存在であるリバイバルツアーだった。
ここから先に続く道は最新アルバムのツアー、その前にちょっとしたアクシデント、あまりにも楽しいね。

 

ということで以上、お読みいただきありがとうございました!

ちなみに来週はセットリストブログを上げるつもりでいます。書けなかったら上げません(当たり前体操)