つばめも

ようこそ! Twitter→@_tsubamenote_

プログラムcontinued(15th style)の歌詞について

 

2004年7月24日から今日で15年。ロックバンドに祝福をと思い、この記事を書きあげました。

タイトル通り、プログラムcontinued(15th style)の歌詞の話。

 

結成日にMVが公開されるんだろうと読んでて、そのタイミングでこの記事上げたかったんだけどMV公開があんな急に来るとは思わなかった()

歌詞変更があったところは太字にして、Aメロ、Bメロ、サビ、、と区切りながら進めていきます。

 


UNISON SQUARE GARDEN「プログラムcontinued(15th style)」Music Video

それではどうぞ。

(そういえばCD音源はイントロのカセットテープ止める音とかの演出はカットされてましたね。あれ結構好きだったけど。)

 

1A)

また当然のように悲しみは今日もやってきて

乗り越えてもすり抜けても形を変えて襲い掛かってしまう?

ああノイズが舞う東京ジャングル 油断したら迷っちゃいそうだよ

でも当然のようにって体は今日も疼いてる

あの日に見た虹みたいな音楽だって褪せずにページを舞う

それが生きてく理由ってことなんでしょう 映し出して 助走をつけて 跳ね回れ進行形

反復を示す「また」からの歌いだし。10周年から5年経っても依然「悲しみ」は彼らを襲っているようだ。

ただ、DAの時は「悲しみ」に対して、大きくなって重たくなるかもしれない?といった不安めいたニュアンスだった。それが今回は乗り越えたりすり抜けたりと、同じ不安でも、ある程度「悲しみ」と戦い抜いてきたことが伝わる雰囲気がある。

それに「焦りそう」で「足を取られてしまいそうだよ」恐れていた東京ジャングルは雑音の煩い/誘惑のある場所と前回のように、飲み込まれそうな場ではなくどこか俯瞰的に見ることができている場となっているように思う。冒頭の歌詞だけでこの5年のロックバンドが如何に成長してきたかがひしひしと伝わる。

疼く場所が心の奥ではなく体になっていることからも、その成長や歴史を感じとることができよう。体が疼くのはそれだけ活動してきた証だろうし、心の奥の疼きと比べたらややポジティブなイメージが持てるような気がする。

そして物好きたちをニヤニヤさせるのは、2015年以降に出した曲のフレーズが新たに含まれるようになったところ。

ノイズSilent Libre Mirageからの登場だと思われる。

油断したら迷っちゃいそうだよCatch up, latency「油断は禁物です」を転用した形か。

ページという単語は10% roll, 10% romance、春が来てぼくら、Dizzy Tricksterなどに含まれている。ここ数年はページを彩る、ページをめくるなど、ロックバンドとして生きていくことを何かとページという言葉に絡めて表現することは多くあった。

生きてく理由/映し出せ はシュガーソングとビターステップからの引用。生きること、人生に対する向き合い方はここ5年でクローズアップされることがかなり多かった。如何に自分の好きなロックバンドとしていることができるかって話でシリアスなブログが更新されたこともありましたね。ぴゅー!ふわっふわ!のアレ。

助走をつけて跳ね がSilent Libre Mirage「張り切って跳べ」のオマージュと予想。これは自信がないけど。

また、助走 はfake town baby「前提享受して走れ進め/エゴイズム戦線一着逃げ切り」あたりとも掛かっているのかもしれない。というかfake town babyっぽい要素がなかなか見つからない。

回れ は10% roll, 10% romanceからの引用か。rollと言えばOne rollツアーなんかもありましたね。

跳ね回れ進行形 の語感がとんでもないくらい好き。

1B)

一聴じゃ難解なんてこと盛大に鳴らしてきたんだ

贅沢に思うだろう? 思わないなら別にいいけど

→ここはニュアンスはオリジナル版とほぼ同じ。やや皮肉がマイルドに、かつ余裕が感じられるようになったような気がするのもきっと15th仕様だろう。

一聴/贅沢mix juiceのいうとおりからの引用。後ろに続く歌詞はこの言葉に合わせて書き換えられたものだろう。

1C・サビ)

それでもまだ ちっぽけな夢を見てる

目立たない路地裏で超新星アクシデントみたいな事

何気ない歌で 何気ない記念日をお祝いしたら

ああ気ままに行こうじゃない きっと何も変わらないけど 多分continued

→サビはそのままなのがいいよね。大事ものは最初からある。

2A)

耳を塞いだあの日から5000日ちょっとくらい歩いてて

ふと立ち止まり 振り返れば 随分 遠く遠くまで来たみたい

今は ちゃんと世界の音をちょっとは 聞こえてるよ聞こえてるけど 大事なものはもっとある

→365日×15年≒5000日くらい。4000日くらいの時は時々は聞いていない振りだった世界の音を一蹴。それ以上に大事なものを見つけている。きっと日ごろから彼らの音楽を好んでいる人たちには「大事なものはもっとある」と言っただけでその正体におおよその検討がつくことだろう。そういう意味でここでも姿勢が一貫しているのが誇らしいし最高。本当にいい歌詞だ。

2B)

残酷な現実なんてもの 隠さずに鳴らしてきたんだ

目をこらしてもわからないなら ざまみろ!

残酷Invisible Sensation、現実10% roll, 10% romanceにも登場した言葉だ。CIDER ROADで音楽界が土下座しに来なかったり、春が来てぼくらが作曲的にどんなに素晴らしいものかと騒がれることがなかったという現実と向き合ってきた過去が、この歌詞になっているのだろうか。

隠さずDr.Izzyの帯(BUSTER DICE MISERYの歌詞)「どこを晒すか どこを隠すか」に掛けているのではないか。

目をこらして はInvisible Sensation「見逃すなよこの瞬間をscopeしろ」がルーツにあるのんだろうか。

わからないなら ざまみろ! は春が来てぼくら「わからないっていうならザマ見ろって舌を出そう」に由来している詞だろう。

2C・サビ)

それでもまだ 消えそうな声を聞いてる

泣きたくて 泣けなくて 無理やり笑っちゃう君の声を

だけどストレンジャー 味方なんかにはなれないけれど

ねえ挫けていいんだよ 秘密基地で会う約束をしよう

→2番もサビは変わらず。でも今聴くと、君の瞳に恋してない「せめて君くらいの声はちゃんと聞こえるように」とリンクして聴こえてくるような気がする。

D)

優しくなくても 正しくなくても 今日くらいは祝ってくれよ!

一瞬も飽きちゃいないからさ 人生を譲る気がないんだ

行けるところまで行こう 小さく明日のベルが鳴る

→優しくなくても…恐らく日ごろのバンドの構え方を言っているんだと思うけど、めちゃくちゃ優しいバンドですよUNISON SQUARE GARDENは。

正しくなくても はCatch up, latencyから。世の中的な正しさと彼らの考える正しさの乖離の話は難しいので置いておこう。優しさも、正しさも、何が正しくて何が間違っているのか全部わかんないが問題ない。問題なのは次の歌詞。

歌詞カードには「祝ってくれよ!」と記載されているが曲を聴くと明らかに

祝ってくれないかな

と歌われている。しかも原曲にはなかった田淵さんのコーラス付き。

最初はまさかそんな大事なとこで誤植?!ってなったけど、もちろん仕様でしょう。

そういうところだよ~!!!!!となるほかない。

・・・と、意気揚々と書いていたのだが、どうやらこの歌詞は本当に誤植だったらしい。

正しくは歌通り「祝ってくれないかな」であるとのこと。

これは原案が「祝ってくれよ!」だったようで、手違いによってそれが世間に流れ出ていってしまったという形。歌詞カードと違うことを歌う“演出”だと思っていたが、存外な展開だった。

でもまあ「祝ってくれないかな」の方が彼ららしくて好き。もっと言えば「祝ってくれ!」をやめて、「祝ってくれないかな」にしたという過程すべてが好き。このブログにたどり着いた皆さんなら多分同じこと考えているだろうけど。

あれだけお祝いモードに舵を切っておきながら、一番大事なところでちょっと控え目になるの、めちゃくちゃ田淵智也感が滲み出てるし、我々は、いや少なくとも私は、そういうところが大好きなのである。愛おしいし憎たらしいし嬉しい。

UNISON SQUARE GARDENというバンドはやはり堂々と祝ってくれよ!と構えることが性に合わないバンドなのだろう。(もちろん良い意味で。)

アニバーサリーイヤーで浮かれてるのかなと思わせつつ、やはり変わってないなと思わせてくれるのが最高に愛おしい。本人たちは勿論、私自身もこのバンドに飽きる余地は一瞬もないだろう。

C・サビ)

それでもまだ ちっぽけな夢を見てる

目立たない路地裏で超新星アクシデントみたいな事

何気ない歌で 何気ない記念日をお祝いしたら

ああ星も降るから 派手なやつを歌っていこう

ふざけろ! 続けフルカラー きっと大して変わらないけど 依然continued

→ここはオリジナル版通り。降るからとフルカラーの押韻が最高に好き。

舞洲ではフルカラー→プログラムcontinued(15th style)の繋ぎが聴きたいなあ。

歌詞の話ばっかで演奏の方の話してなかったけど、この5年で3人ともうまくなりすぎですね、音楽的な技術論に精通してるわけではないので月並みの感想でしかないのが申し訳ないですが。音の締まりとか僅かな隙間に膨大な音数を落とし込んでいくところとか、どんどん洗練されていってどこまでも進化が続いていく様は最早恐怖の域。

特に斎藤さんはBSSSの再録曲聴いても歌詞に対する音の当て方、言い方を変えれば表現力が爆発的にレベルアップした印象。ほんと技量バケモノバンド。

特に初期曲の再録/ライブ音源化はどんどんやってほしいな。あまり演奏しなくなったアルバム曲にも陽が差す日が来ることを祈っています。

そしてMV、あの日のライブに居合わせた人は一生モノの思い出だよね、羨ましい。出だしのフルカラープログラム総集編がアツすぎた。(これはつべに上がっている方の感想)

完全版はシンプルに感動して泣きました。これは初回限定盤を買った人たちだけの宝物なので深くは言及しないけど、トリビュートアルバム買うなら絶対初回限定盤を買うことをお勧めします。

Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~ (初回限定盤A) [2CD+BD]

プログラムcontinued(15th style)、何重にもカラクリが潜んでいて最高の曲だった。

UNISON SQUARE GARDENUNISON SQUARE GARDENたらしめる理由が詰め込まれていて、15年間色々あったけどそれが結局のところ「ロックバンドは、楽しい。」に帰結するような気がした。改めてこのロックバンドに出会えたことを誇りに思う。

15周年記念のでっかいライブまであと数日。たくさん聴きこんでXデーを迎えようと思います。何気ない歌で 何気ない記念日をお祝いするために。

 

UNISON SQUARE GARDEN、結成15周年おめでとうございます!