どうもご無沙汰です
記事公開時点では1日早いですが、B-Sideツアー全31公演、本当にお疲れ様でした。
遅ればせながら、B-Side大宮初日と横須賀に参加したのでその感想と、ツアー総括的なことを書いていきます。もう大丈夫だと思うけど、一応ネタバレ記事なので気をつけてください。
これは大宮
B-Side公演はこれまでのセトリからU-Sideコーナーの2曲を除いた全21曲のセトリ構成。しかし、ただ単純に2曲抜いただけかと言われればそうではなかった。アレンジに照明にツアー初日からは想像もつかないような進化を遂げていた…。
お品書き
①照明の話
②セトリとアレンジの話
③ツアー総括の話
①照明の話
とにもかくにも照明が凄かった!色味に関してはライブハウスでの公演となったU-Sideの時とさして変わらなかったが、やはりホール特有の照明や演出が際立って良かった。
圧巻だったのはライブ中盤の三月物語、三日月の夜の真ん中、サンタクロースは渋滞中、スノウリバースの4曲で構成されたセクション。
U-sideの時と同じように「では次は全31曲の中で栄えある第30位に輝いた大人気曲をやります」というような斎藤宏介氏渾身のズッコケ曲紹介から始まるのだが、ここからの演出がすごかった(語彙力)
三月物語のイントロが始まるとステージ後方に月の裏側が出現するのだ。
4月に行われたB-Side0のOP時にステージ前方に掛かっていた幕と同じ白く光る月の裏側。これはB面(普段目にしない面)であることの隠喩と受け取れる。同時にいくつかのライトが小さく光り、星空のような演出が展開された。
第30位と揶揄(語弊)されながらも、ある意味では三月物語のような表を集めない曲がこのような派手な演出をなされたことに今回のツアー神髄が表れていたように思う。
さらに三月物語の演奏が終わると空間系のエフェクト音のギターを鳴らして、三日月の夜の真ん中に突入する。勘の良い人ならもうわかると思うが、ここで丸く輝いていた月の裏側は三日月へと姿を変える。
三日月の夜の真ん中からドラムソロへとライブが展開すると月が消え、後方から1つのライトがタカオを照らす。これ、後光が差しているようにしか見えなくて、あまりの神々しさに笑顔にならずにはいられなかった。(笑)
セッションを挟み、サンタクロースは渋滞中へ突入すると、背景には月の輪郭を残しながら、青空と雲が広がる。サンタクロースは渋滞中からスノウリバースへと畳みかけると、背景は再び月の裏側へと回帰する。
総選挙1位を取ったスノウリバースで月の裏側を映しだす演出がなされると、Bee-Side Sea-Sideのジャケットの伏線を完全に回収した感が生まれる(気がする)。
セトリおじさんは最初からこれを狙ってこのセクションを構築したのだろうか。相変わらず恐るべし。
空模様の背景はEn2のさわれない歌でも使われていた。こっちはこっちでEn1の5分後のスターダスト「リトルスターダスト 空に帰った ゆらゆら ゆらゆら」とリンクしていたり、セトリにはないけどPhantom Jokeの「まだまだ旅は終わらない だからこの空の先を見たい」とリンクしているような気がしていて勝手に胸が熱くなった。
他にも照明で化けたと思う曲を挙げるなら、ピストルギャラクシーやギャクテンサヨナラあたりが思い浮かぶ。
ピストルギャラクシーは冒頭の下手から上手にかけて勢いよく駆け回るサーチライトと落ちサビの上手横からギタボを照らすピンスポが好きすぎた。
ギャクテンサヨナラはAメロで白いムービングライトが格子状(?)のように展開して天井へ伸びていくのがとても綺麗だった。
あと個人的に贔屓してるリトルタイムストップは、ステージ上の細長いスタンドライト?みたいなのが終始光ってるんだけど、それがピアノの鍵盤みたいに見えて美しかった。
②セトリの話
いつもの感じでこのツアーでの思い出+深読み要素があるやつはそれを加えながら、1曲ずつ語っていきます。
1.リトルタイムストップ
絵の具が流れる中でイントロのドラムが鳴る瞬間はまさしく、得体の知れない異邦のスリーピースが僕らの心を打ち抜く瞬間だった。
そしてやはり、「(脇役たちよ、)炭酸みたいに弾けて、光れ、浮かべ、届け、錆びついてしまう前に」というフレーズが1曲目に置かれた最大の意味だと解釈した。B面曲の中でもトップクラスに好きな歌詞なので大事な役割が託されたのが嬉しかった。
2.セク×カラ×シソンズール
Hello Hello me yeah!→「ようこそ!」と挨拶と恒例の台詞でライブが始まる仕掛け、回数を重ねるごとに好きになっていった。
間奏と終盤のドラムが凄かった。スプラッシュ連打したりクラッシュ鳴らしたり、あとロータムの使い方が効果的すぎて良かった。
冒頭2曲構成は意外だったけど、こういう柔軟さがセトリおじさんの神髄って感じする。
それと、「古い古い思い出」という歌詞が、昔から演奏してきたB面曲たちと共に輝くような気がした。
で、多分だけど5分後のスターダスト(秋曲)とラブソングは突然に(ところでsay I love you)で「10月あまりにも粗末で聞こえないようなI love you」が最後に回収されている。天才かよ…。
3.flat song
ボーカルもコーラスも綺麗すぎる。そんな10月から真冬への転換点。
他にも冬曲はあるけど、バラードかつややテンポ速めということでこの曲が3曲目に選ばれたのだと思う。
3億回くらい言ってるけど、斎藤宏介さんのバラードの歌い方がどんどんレベルアップしてて怖い。
4.over driver
ツアー2日目から冒頭に歪んだ解放弦鳴らしてワンクッション置いて始まるようになった。こういう小さじ一杯のカラクリが本当に好き。
ドラムの手数は相変わらずの凄さ。あと横須賀の日は心なしかBPM速めに聞こえた。これまで以上に攻撃的な雰囲気があった。
5.ピストルギャラクシー
over driverの流れを受け継いでフラッシュ照明に照らされながらイントロに入るシーンは全人類に見てほしい。これはガリレオ、コペルニクスといった天体関係の人名から宇宙を想起させる曲への繋ぎだと勝手に解釈している。
変拍子のところが楽しい。ギター弾きながら歌うのヤバすぎ定期。
6.ギャクテンサヨナラ
ピストルギャラクシーから歪んだベースをかき鳴らすプチベースソロもこのツアーのハイライトだと思う。実はこのタイミングが斎藤さんの給水ポイントなことも併せて、本当によく練られたセットリストだと思う。
間奏でタカオが立ち上がるのズルすぎる、ここの場面の写真あるといいな。
陰に隠れているけど歌詞とか構成とか、THE初期ユニゾンって感じがして大好き。センチメンタルピリオドとか23:25みたいなちょっと斜に構えた感ある歌詞なのにメジャーキーで明るいテンションにされてしまうと問答無用で涙腺を持っていかれる。
7.僕は君になりたい
ツアー初日がシームレスすぎる繋ぎでびっくりした。その後の公演では1秒くらい暗転挟んで入るようになったと記憶している。
前3曲の勢いをすべて包み込んでしまう優しさ溢れる曲。ギャクテンサヨナラのあと、さらにアップテンポな曲をぶつけるか、そこで流れが切れるのかなと思っているところを見事に裏切ってくれるのが最高。
あと「普通じゃないは普通だよ」って歌詞が素敵すぎる。このツアー通じて一番好きになったところ。
flat song「雨が降って後に晴れて」とこの曲の「雨に打たれた放課後」が恐らく重なっている。
8.スノウループ
「雨だったはずの外が白く染まり」と雨から雪へと天候が変化する。
斎藤宏介さんのボーカルポテンシャルが最も引き出されている曲と感じた。落ちサビが尊いを極めてる。
ツアー後半からはその部分が指引きになっていて、ギターソロ→ピック捨てる→指引き→ピック取る の流れがせわしない感じでよかった。相変わらずのハイスペックギターボーカル。
9.ここで会ったがけもの道
バラード後ローテンポのドラムからセッションが始まる仕掛けも最高。
この曲の楽しさは「予期せぬ快哉は解説後書き野暮ったいな」に集約されるだろう(若干の逃げ)
10.ノンフィクションコンパス
カポ装着のためのベースソロが本当に良い。音源化楽しみにしてます。
雪の季節から「情景桜舞う」季節への転換点。
ホール公演からアウトロがライブ終わるときにやるような連打っぷりで大円団感が凄かった。(既存のライブ音源でいったらプログラムcontinuedのアウトロ)
ここでライブ終わりますって言われても納得して帰ってしまうくらい濃密な10曲だった。(ここまで体感3秒)
11.三月物語
「桜舞ったコントラスト」→「桜が咲く少し前」と季節が逆回転しだすポイント。これがどのフレーズの仕掛けなのかイマイチ思う浮かばなかった。強いて言えばスノウリバースに向かって季節が戻る仕掛けなのかな。
照明の話は上にあるので割愛。個人的な思い出を話すと、ホール公演ではここのバラードゾーンを座って見られたのが良かった。
12.三日月の夜の真ん中
サビのベースの音数が少ないのが音数詰め詰めスクエアガーデンには珍しいんだけど、そこのアンサンブルに美しいが極まっていた。あとコーラスの音域高すぎ。
ドラムソロとアウトロアレンジを交えるアイデアも天才。この曲ではドラムも比較的おとなしめなので音数が爆発してるドラムソロとのギャップが良い。
某新バンドをきっかけに斎藤宏介曲が増えていくのなら楽しみだなあ。
余談を極めると“三”月、“三”日月、“サン”タってやっぱり狙って並べてるんですかね?
13.サンタクロースは渋滞中
ドラムソロからベースのキメがメインのセッションへと展開した流れでこの曲へイン。
割と大きめの歓声が上がっていたのがこの曲の人気を裏付けていたと思う。
終始バッキバキの音をかき鳴らすリズム隊が良かった。早口パートが凄いのは言わずもがな。
~これはイマイチまとまってない深読み~
サンタクロース=冬とは言ってない(歌詞的にはバリバリ冬だけど)。春曲のあとだし(渋滞して?)夏に来るサンタクロースの可能性?→スノウリバース(雪の逆、裏側≒夏) みたいな説??
14.スノウリバース
ギター始まりなのでめちゃめちゃ曲間が忙しそうだった。
前回の記事でも言ったけどドラムの手数が変態。あれだけ詰め込んで曲が成立してるの訳が分からない(笑)
(一番言いたいことはさっき言ったので短め)
15.シグナルABC
中央に集合してセッション開始。このセッションもどストライクの最高な構成だった。武道館のシャンデリア・ワルツを想起させるようなギターヒーローっぷりだった。
横須賀の時は、歌い出しが過去一高らかで華麗に舞っていて感極まってしまった。
冒頭、「季節のプロパティは等間隔」と季節ものの曲が多いセットリストの真ん中にこの歌詞があるのがオシャレ。
それにしても、「焦んない、照準を絞ってさ、/諸問題、解明のチケットは、誠心誠意」とこれだけの説得力を持って奏でるロックバンドが他にいるだろうか...。この歌詞には本当に大きな力を貰った気がする。
16.ラディアルナイトチェイサー
U-Sideで聴いた時はハイハットのみだったのが今回はタカオの雄たけび付きになっていた。某場違いハミングバードを想起させる絶叫4カウントが最高に好き。
数字にして3~5%くらいBPMが増してる気がした(アプリでテンポ変えて再生して確かめた)。
TBCのサビコーラスが雄々しくて好き。こんなにもライブ向けの曲なのに蔵に放り込むのマジで勿体ないでしょ、たまには聴きたいよ。
17.I wanna believe、夜を行く
ラディアルナイトチェイサーの余韻が残る中、ハイハットによるカウントで「wanna believeが夜を行く 君の声を探して」とアレンジスタイルで曲に突入する。
この瞬間のヒーローが舞い降りた感が凄い。
メロが強いのは言うまでもないし、サビのコーラスの応酬もライブ常連曲かの如くフロアが沸いていたのが良かった
ラディアルナイトチェイサーから「まだまだ夜を行け」と続く様が、このライブが、ツアーが終わってほしくない、B面曲たちをこれからもライブで聴きたいのになと願う気持ちと重なった。
スノウリバース「僕の足跡はやっと動き出した」に呼応しているかのように「足跡はそう一人分で十二分だろう」と歌われるのも良い。
そしてみんな大好き落ちサビアレンジ
「強いだけが正義ならばヒーローなんで要らないし あぁアイアイアイア――――――――――――――イ」とロングトーンでキメて、ギタボソロパートへ。
「wanna believeが夜を行く 君の声を探して…
あの時交わした約束は壊さなアアアアアアァい!」と力強く歌い上げ最後のサビへと流れ込む。無敵すぎ。
それと横須賀では1Bのあたりでタカオがジャケット脱ぎ捨ててたのがかっこよすぎた。
18.Micro Paradiso!
各自適当に解散とする、大円団の本編ラスト。
アイワナですべてをまとめあげて、ダメ押しのMicroという流れが完璧。
間奏ではタカオがしゃべったり、斎ギャ代表田淵がギター食べたり、あの斎藤宏介が田淵のごとくモニターに寝転んだり、全国各地でいろいろはっちゃけてたみたい。(笑)
Encore
1.5分後のスターダスト
秋への回帰。これも横須賀の話だけど、序盤から徐々に調子を上げてこの曲で調子が150%くらいになった感があるボーカリングだった。
でも最後「ゆらゆら ゆらゆら」のタイミングがずれたのアレンジなのか、ちょっと詰め込む感じになっていてかっこよかった。
これも蔵に突っ込むの勿体なすぎるって。
2.さわれない歌
16年目を迎えて通常版に戻るUNISON SQUARE GARDENが楽しみで仕方ないという趣旨のMCの後に聴くさわれない歌、五臓六腑に染み渡って最高。
ストリングスがホールとマッチしていて本当に良かった。もうしばらくは演奏しないんだろうけど、この曲はDAのトリであったりプロconツアーの1曲目であったり、今年の舞洲にB面ツアーに要所要所で大健闘だったと思う。
5年後10年後、また我々の涙腺を不意に決壊させに来てほしい。
3.ラブソングは突然に~What is the name of that mystery ?~
ラスト!と一言置いてスタート。タカオはTシャツを頭からかぶっての演奏(笑)
冒頭ロングトーンの「Yeah~~~~~~~~~~~~~」だったり、ネジを巻いてねでスティック回していたり、やりたい放題でバチバチにかっこよかった。
もちろん最後は溜めて溜めて「What is the name of that mystery ?」で〆。
これは横須賀
③ツアー総括の話
最高!以上!と言いたいところだけどオタクなので語らせて。ここまで語ってきたように演出も良いし、見やすいし、音も良いし、セトリも相変わらず天才。
さらに今回のツアーはかつてないほどに暗転中やMC中に余計な声を上げる人がいなくてストレスが全くない完璧なライブだったと思う。
MCでも何度か「最近みんな静かに待っててくれるんだよね」という言葉があった。
おそらく、彼らが目指していたライブの形がかなりの部分で実現できていたのではないだろうか。
ただそこに良い曲と良いバンド(といいセットリスト)があって、リスナーである我々は勝手に集ってきて勝手にただステージに集中するだけという某おじさん好みのロックバンドの楽しみ方を多くの人がしていたのではないだろうか。
今回のツアーは15年間という年月をかけて、彼らが誠心粛々誠意の反復で積み重ねたものが実った結果生まれた、ロックバンドを愛する一体感のような何かを感じた。即席の一体感は一笑に付したいと歌っているバンド向けて使う言葉ではないけれど、あのライブ中の客席に流れる空気感は特別なものだった。
とは言え、今回のツアーの客層はコアなファンが大半を占めていたと思うので、来年通常営業に戻った状態でどうなるか楽しみで仕方ない。
詳しくはね、解決編で~~いえ~~ということで締めくくりとしたい。(最後にぶち壊していくスタイル)
あとこの年末年始で書きたい記事がいくつかあるので案だけ晒しておきます
・プログラム15th再総括…映像で新しくわかることがたくさんありそうなので改めてあのライブへの想いをオタク特有の早口で語る記事。これは多分ちゃんと書く。
・Phantom Joke感想+8枚目妄想…シングルのちゃんとした感想書いてなかったから書きたい。あと14、15、16枚目のシングルが入るアルバムがどんな感じになるか考察したい。これは余裕があれば書きたい。
・名前とUNISON SQUARE GARDEN…UNISON SQUARE GARDENの楽曲における、名前の意義を紐解きたいという知的好奇心を文章にしたい。たぶんまとまらないので実現するか怪しい。むしろ誰かこのテーマで論文書いてほしい(
と、まあこんな具合にやりたいことが渋滞中です。時間見つけて更新していくので、その際はぜひよろしくお願いいたします。
てことで今回の記事は以上です。お読みいただきありがとうございました。