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UNISON SQUARE GARDEN 新曲 春が来てぼくら 感想

UNISON SQUARE GARDEN通算14枚目のシングルとなる「春が来てぼくら」が3月7日リリースされた。

このブログを開く人には要らないかもしれないが一応。


UNISON SQUARE GARDEN「春が来てぼくら」ショートver.

 

  • 春が来てぼくら

今回は事前インタビューでのハードルの上げ方がそれはもう尋常じゃないくらいのものだった。「この曲が評価されなきゃやばい」みたいなことまで言われると、待ち構えるのも大変だ。ところがここは案の定とも言うべきか、タワレコの試聴機で聴いて軽率に涙を流してしまうくらいには名曲だった。ただしそれは、“物好き”に堪らないであろう言葉が並べられていて、“物好き”の僕が歪な解釈をした上でのものだ。もはや彼らの掌の上で転がされているだけの僕に世間だの一般だの語る資格は当にないはずなので、今回も長々オタク語りを展開する。お許しを。

 

どこかのインタビューで斎藤さんが言っていた「自己評価がバグって来てる」現象が僕の中でも起きているので凄い曲だしか言えない上にこれが一般に受けるのかわからないが(2回目)、本人たちがここまで言うのならきっとそうなんだろう。ストリングスがこれでもかと添えられており、MODE MOOD MODEの先に出るシングルとしてこれ以上ないと言っても過言ではない曲になっていたと感じる。間違えなくポップロックを貫いてきたUNISON SQUARE GARDENの最高到達点の一つだろう。

メロディ、言葉選び、言葉運びが総じて優しい。特に「ごめんね」だけはズルい。これが早く言いたかった。涙なしには聴けない。イントロから2番までの、春が来てたしかな新しい未来へ向かっていくという美しい流れから「ごめんね 欲張ってしまう」が出てくるのが最高にUNISON SQUARE GARDEN田淵智也って感じの詞。そしてそれを表現する斎藤宏介の歌。今回一番刺さったのはここ。「新しいと同じ数これまでの大切が続くように」ってのはMODE MOOD MODEやこのシングルのような挑戦(新しい)と同じ数これまでの大切なことが…ってわざわざ言うまでもないか(笑)。こうやって大事なこと、伝えたいことを語弊がないよう言葉にしてくれる田淵智也さん、好きです。FC開設にあたってのブログが特にそうなんだけど本当にこの人のそういうところが好き。しかも誰かを特別扱いするわけでもなく、境界線がしっかりしてるのも最高に良い。やっぱ“さわれない”距離感って大事だよね。

話を曲に戻そう。相変わらず言葉数が多いことに加え、今回は周知通り転調の連続となる。好きな箇所を上げればきりがないが、一つ選ぶなら落ちサビでキーが落ちる所。歌詞との相乗効果もあって好きが極まるポイントになった。まさに花マルだね。

あくまで普段比だが、ストリングスあっての曲のためか、今回はベースラインの激しいアプローチがあまりないように感じた。ルート弾きが多い。ただサビ直前とサビ終わりで微妙に伸びてる高音のベースがとても好き。

ドラムは相変わらず仕事っぷり。今回は徐々に音が積みあがっていく(手数が増えていく)感じでいつも以上に“世界が広がっていく感”がつよい。これはストリングスとの共存がそう聴こえさせているのだろう。いつもは個性大爆発なリズム隊が裏方に徹しているように感じる。

ギターに関しては細かいことはよくわからないけど、相変わらず言葉数が多くて譜割りが難しいのでギターボーカル斎藤宏介のハイスペックさたるやって感じ。今回はメロディがかなりパワーがあるのに繊細で美しい。ライブで聴けると思うと楽しみでしかたない。MVでフェンダーのサンバーストくんが復活してて嬉しかった。君の瞳のMVといい過去のギターと会えるのは楽しい。

総括するとドラムが丈夫な土台、ベースが支柱となり、ギターとその上にある壮大なストリングスという装飾のすべてがメロディを、斎藤宏介の歌声を輝かせている宝物のような楽曲がこの「春が来てぼくら」である。耳から入り込み体中に広がるあたたかい気持ちをどう形容すればいいかわからないが、とにもかくにも良い曲だ。偶然かもしれないが、MOOD MOOD MODEの延長線上にこの曲を置けるのが現在の無敵モードのUNISON SQUARE GARDENの強みであり、「今じゃなきゃわからない答」の一つということなのではないだろうか。これを聴きながら卒業式に向かいたいなぁ。

まだまだ語りたいことはあるがカップリングの話もしたいので、春が来てぼくらについては一旦終わり。

  • ラディアルナイトチェイサー

 MODE MOOD MODEにてフィクションフリーククライシスに追い出され(?)、焦らず次の回へと回った1曲。BUSTER DICE MISERYっぽく目まぐるしく動き回るベースラインと切れ味抜群のギターリフが唸るキラーチューン。パンデミックサドンデスやfake town babyの系譜。個人的には歌詞の切れ味も相まってどこかover driverっぽさを感じる。というか9㎜チックな気もする(笑)。「神様」やら「フィクション」やら「目が覚める」やらMODEなMOODを漂わせた言葉が散りばめられていて良い。「お前がダサいだけ」ってフレーズは積極的に使っていきたいね(笑)。

Oh Noのハモり具合が最高。2番の短いOh Noからギターにバトンパスする感じが堪らない。

しかしこれが弾かれたのは本当にもったいないな…ギターがかっこよすぎる。なんならツアーでセッション後の枠に平然と入ってきてもおかしくない。ちなみに、フィクションフリーククライシスと入れ替えてMIDNIGHT JUNGLEとInvisible Sensationで挟んでこの曲を聴いてみると、MODE MOOD MODEにはこの曲のパンチ力よりフィクションの方の潤滑油的性能の方がアルバムには必要だったと言えなくもないように感じた。

どうか幸せなご加護がありますように!と思わずにはいられない。

  • Micro Paradiso

イタリーな言葉とノストラ旦那にダムス兄貴とご丁寧なスポンサー紹介といった楽しい言葉たちに囲まれた言葉遊びの達人田淵智也の神髄が見られる1曲。アイデア性が大爆発してる曲。「この番組はご覧のスポンサー提供でお送りすると見せかけてもう一度」なんて歌詞は色んな人に聴かせて回りたい(笑)。「え、それ歌詞にしちゃうのwww」って声も「田淵ならやりかねないよなw」って声も聴こえてきそうな楽しい曲。「この番組は~」がガンガンの地声なのがウケる(笑)。

全てそこに持っていかれている感があるが歌いだしの爽快なギターが心地よい。ライブの最後にこれ持ってきほしい。crazy birthdayの後釜的な存在になって飽きるほどライブで聴きたい。歴代CPの中でもトップクラスに好きかもしれない。

「即席の一体感一笑に付したい」は日ごろの作詞作曲おじさんの発言がそのまま歌詞になっていて流石といったところ。スッと一息で歌いこなせるギリギリのラインを突いてくる感じのサビのメロディラインがとても気持ち良い。

 あと某誌で3カポって言ってたような気がするけど映像では1カポだったのはどういうことなんだ?

 

 これらの個性的な3曲によって構成されるシングルは贅沢の他に言い表す言葉が見つからない。カップリングには似つかわしくないともいえる手札を添えることで逆説的にシングルの凄みが強調されている。もちろんこれは意図的に仕組まれた永劫他人の彼の仕業だ。そしてジャケットがとても良い。美しい。素晴らしい。本当に最高のシングルだ。

 そんな素晴らしいシングルの帯が「ざまみろ、これは僕らの歌だ」なんだからよくできたものである。時代に反してコンパクトな掌サイズのインパクトも最早癖になる。上手に準備されたユートピアとはこのことか…。

 

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いらない話。

最後にちょっとネタバレ関連の話。ちなみに僕とフォロー関係にある人には当てはまらないのでご安心を。

割と毎回の話だし大半の人はわかってるだろうけど帯だとか歌詞だとか、ツアーの時ならセトリとか、知りたくないなら自衛しろって話だよな~~。避けようのないネタバレは僕自身も喰らったことあるしTwitter及びインターネット、なんならこのどうしようもない時代に生きてる限りある程度割り切りましょう。たまーにうだうだとお門違いなこと言ってる人見かけるけど、“その判別はお前がダサいだけ”。

 

これが言いたかっただけシリーズでした、おしまい。

 

次回予告

「MODE MOOD MODE ツアーセトリ予想」

3月下旬〜4月上旬ごろ更新予定。よろしくお願いします。

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