つばめも

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【ディスクレビュー】DIALOGUE+1/DIALOGUE

みなさんこんにちは。ツバメです。

今回はDIALOGUE+の1stアルバムDIALOGUE+1について語り散らかしていきます。

今までPの彼とそのバンドについては数え切れないほど語ってきましたが、彼女たちのことを文章にしていくのは今回が初めてなので、諸々どうかお手柔らかにお願いします。
”1週目”の感想が書けるのは今だけだとも思うので、浅〜いこと書いててもニコニコ見守っててくださいね…。
普段から筆者のブログをご贔屓いただいている皆々様にはご明察の通りかと思いますが、筆者はまだこのユニットをUNISON SQUARE GARDENというフィルターを通して見ている部分が大半なのでそこらへんはお察しください...。
裏を返せばまだUNISON SQUARE GARDENを知らない人には「こんな歪な見方があるのか」と変な方面に視野を広げるきっかけになっちゃうかもしれません。

てことで書き始めていきます。

 

DIALOGUE+1

01.Sincere Grace
徐々に近づく鼓動のようなサウンドとカウントダウンが物語の導入を呼び込む曲。
Sincere(誠実な)+Grace(優美)と純白なフレーズが並んだタイトルに倣うような純度の高い歌詞が魅力的。
「この今が宝物だってこと」だけど、「ここはゴールじゃないってこと」というグループとしての現在位置の明示とその先へ向けた決意表明が高らかに歌い上げられる構図になっている。
「浮かび上がる最終目的はまだ内緒だ」など1stアルバムの1曲目だからこそ映えるような余白のある言葉が愛おしくなる。
最初のツアーでは1曲目で観たいけど、いつか本編ラストで歌ってほしい曲。感情ぐちゃぐちゃにされたい。

≪一番好きなところ≫2サビ鷹村さん「わかるかな」のピンポイントに刺しに来る感じがとても好き。
これは作詞の面での話だけど、本業バンドにもよく出てくる「わかる/わからない」系統の言葉の差し込み方ツボです。春が来てぼくらやらシャンデリア・ワルツやら23:25やら(ニュアンス1番近いのだと23:25の"わかんねぇかな"な気がする)(いきなり伝わらない話)
【作詞作曲:田淵智也 編曲:eba】

02.人生イージー?
元気いっぱいの2ndシングル曲。1曲目との流れで聴くからこそ1コーラス目の「今に挑め!」が輝きを増していて好き。「君の時代だ」の意味も作詞者→歌い手へのベクトルで聴こえてくる。
アルバム1-2曲目の滑らかな繋ぎはPの本業バンドに耳が鳴れている人たちにとってお馴染みもお馴染みの構成。相変わらず貫かれるアルバム哲学はここまでくると意地でしかなくて好き。

≪一番好きなところ≫Dメロ「上手くやらなきゃ 上手く笑わなきゃ~」で流れを持っていく飯塚さん
基本的に筆者は芯のある強い声の人みんな好きになっちゃうんですが、このグループだと稗田さん宮原さん飯塚さんが上に突き抜ける系の声のトーンで、それに当てはまるような気がしています。
ツボに入っているのはその3人だけど、他の5人の声も別のベクトル好きです。
内山さん緒方さん守屋さんの3人は混ざるだけで存在を認識できる声の個性強さが良いですよね。前者3名の「上に突き抜ける」に対する「横に広げる」的な感覚で、DIALOGUE+を<声優アーティストユニット>と位置付けるためのアイデンティティ的な存在に感じています。
村上さん鷹村さんの声はそのどちらの特徴も持ち合わせているハイブリッドなタイプのように位置付けています。
もうちょっと細分化すると村上さんは横に広げる寄りの上に伸びる系、鷹村さんは上に伸びる系の横に広がる系だなという感覚です。(ややこしいけどこの2人は特に秘めたる何かを感じているということです)
…この声の聴き分け感覚の話が一番書きたかったんだけど伝わってるこれ?(センターボーカルのペアリングや各曲の歌い分けなど、ざっくりでもこういう声質を踏まえて聴くと意図が見えるような気がするので楽しいです、グループユニット音楽の沼はパート分けにあり…)
【作詞作曲:田淵智也 編曲:田中秀和(MONACA)】

03.ドラマティックピース!!
クレジットに度肝を抜かされたフジファブリック曲。
フジファブリック感満載の曲調に”小粋”でいたいじゃん?」「凛として爛々としてといった、どことなく赤い影が咲いている歌詞が魅力的。ギターソロも最高最高。
タイトルも1stEP収録の「Domestick Force!!」に紐づけられているように見えるし、P談義を拝聴したところ、やはりこれらは意図的なようで感情が揺さぶられてしまった。
そんな2つのバンドの要素を併せ持つ曲の結びに「生きたい!生きてやりたい!生きてやったって舌出したい」って書くの本当にズルすぎてね...。
そういう側面をクローズアップしてしまいがちなのでなかなか曲本体を純粋に耳に入れるのが難しくて内心複雑だけれど、そういう文脈を背負っていろんなきっかけの種を蒔けるのこのグループの強さであるのは間違いないはず。

それと歌詞の面でもうひとつ書きたかったのは「リモートじゃ不十分でしょ?」のところ。こういう世相的なものをそのまま映すようなタイムリーなワードを使うのは、逆に本業にはあまりない一面なように見えて珍しく感じた。(外部活動だと「ガッ※※の結婚」とかあるけど(?))

≪一番好きなところ≫癖にならざるを得ないBメロ。もっと言うと「イツイカナルイツイカナル話」の下ハモ。よく聴くと1オクターブ下の声入ってるっぽいですよね?!これ誰が歌ってるんですか?!聴き間違えだったらこの2,3行はなにもなかったことにしてください!!
【作詞作曲:田淵智也 編曲:フジファブリック

04.謎解きはキスのあとで
あまりにもポップであまりにも良すぎて...。ドラマティックピース!!からのハイテンションな流れも相まって序盤のピークポイントを迎える曲。
迷宮入り確定ロマンスの語感の良さといいキャッチーなメロディといい、J-POPで育ってきた我々日本人たちに刺さらないはずがなくないですか?(言いすぎ?)
内山さん宮原さん共々、華やかでポップなラブソングが似合いすぎてしまうのも勝ってますよね(なにに?)

アルバムの構成面で言うと、このアルバム冒頭4曲で一つ目のピークに持っていくスタイルは完全に最近のUNISON SQUARE GARDENのアルバムのそれ。多分このブログにたどり着く皆さまはそんなとこもニヤニヤしてるはず(?)
シンプルに煌びやかなメロディの強さが売りの曲なので4曲目という位置もちょうどいい塩梅に聴こえてくる。
この曲から漂う「明確に重なる記憶がないのにノスタルジーを感じるJ-POP感」がなにに由来してるのか気になって考えていたんだけど、アイドル音楽はもちろんPAFFYとかJUDY AND MARYとかの音楽とかがそれなのかなぁなんてふわっと感じたりした。単に昔チラッと耳にいれたポップソングって意味だから他にもいろいろありそう。
あと本当に余談だけどライブでメインボーカルの2人が持ってる傘、完全に神宮球場ライトスタンドでよく見かけるアレじゃんとなって笑った。(筆者のハンドルネームはそのチームに由来しています)

≪一番好きなところ≫Bメロ「こんなはずじゃなかったのに「のに」で半音下げて悲壮感が出るところ。ここで音と歌詞に伴って感情が一緒に不安になるからこそサビの多幸感が倍増しているように響いて最高になれちゃうんですよねきっと。
【作詞:竹内サティフォ 作曲:ONIGAWARA 編曲ONIGAWARA、伊藤翼】

05.プライベイト
シティポップチックな浮揚感とキラキラ感が際立つ1曲。
一連の流れで聴くと、エッジの効いたスラップメインのサウンドが心地よく響き、アルバムの空気感がリセットされたことをふわりと実感する配置になっている。
ここまでの4曲とまた違うアプローチの曲なので、アルバムの奥行の深さみたいなものが出ているように感じる。
「汗をかいたグラ」「トローでかき回」「西日の差テラで」みたいな韻の踏み方と音の乗せ方が巧妙で好き。

≪1番好きなところ≫2回目のBメロ「ひとりの時間があって~」守屋さん。この曲に限らず彼女だけ頭一つ抜けて圧倒的にアイドルしてる感あって「良~」となっちゃう。
【作詞:大胡田なつき 作曲編曲:睦月周平

06.あやふわアスタリスク
まだ手札にローテンポの曲が少ないグループの中では貴重なミドルテンポのナンバー。
プライベイトとの流れだからこそ、ふわっとしたサウンドがすんなり耳に入ってくる完があって良い。またしても曲順の妙。
歌詞の文脈でもうひとつ加筆すると「僕らの現在地」を問うこの曲が真ん中に配置されているのも良いところ。(どこまでが仕組まれたものでどこからが偶然の作用なのかわからないけど)

そして、筆者のようにUNISON SQUARE GARDENを入り口としてDIALOGUE+に入っている人だと「作詞作曲田淵智也」の文字列に1番ピンと来ないのがこの曲だと思う。
そういう引き出しもあったのか!ともなるし、歪んだ視点から見ればちょっとXIIXに影響受けた?ともなる音の引き算が目立って新鮮な楽しさがあった。
引き算基盤でありつつ、最終的には宮原さん稗田さんの畳みかけに繋がる構成も好き。

≪一番好きなところ≫「笑った 迷った 泣いた わかった」緒方さん
緒方さんの声の特徴と曲の雰囲気が一番マッチしててシンプルにとても好き。
【作詞作曲:田淵智也 編曲:広川恵一(MONACA)】

07.夏の花火と君と青
現在地を問うあやふわアスタリスクから一気に世界が開けたような良い繋ぎが好き。
「夏」も「花火」も「君」も”わかる”んだけど、「青」を持ってくるセンスがとてつもなくツボ。キラキラ全開のポップサウンドと少女漫画感溢れる歌詞の展開のかみ合わせもベタな良さを感じた。
速い曲なのにフリも細かく速い感じで「大変そう〜楽しそう〜」と観ています(ダンスを言語化する力0)
歌って踊るのが大変なのはもちろんだけど、これだけ忙しない歌い分けを管理するPAの方々も大変なんだろうなとか思ったりもする。

≪一番好きなところ≫ベタだけど1サビ手前の稗田さん「…私、変じゃないかな?」
この曲に限らずハイパー美声で見どころ掻っ攫っていくの最強ですよね。真っすぐに耳に入ってくる上に独特の残響を感じて好き。
筆者、アイドルに関する引き出しが嵐しかないので恐縮なんですが、こういうところから稗田さんに大野智さんの幻影を感じます...。圧倒的な歌の支柱感、あとグループ間での背丈的にも(?)
【作詞:本間翔太、田淵智也 作曲:瀬名航 編曲:瀬名航、伊藤翼】

08.I my me mind
跳ねあがる四つ打ちがとにかく楽しいし、それでいて曖昧でスケールの大きい歌詞が呼び込む切なさとのバランスが心地よい。緒方さんの包容力ある感じの声と飯塚さんの鋭い声のバランスが絶妙で明るいのに泣ける系の曲。
「きっとちゃんと地球は回っているから 明日晴れにしておくれ I my me~」のメロディライン好きすぎちゃう。
UNISON SQUARE GARDENのinstant EGOISTっぽいなぁって思いながら聴いてたら、45秒ごろの1サビの入りが完全にシュガーソングとビターステップの動きで思わず声が出た。
サウンドUNISON SQUARE GARDENならフレーズはパスピエ(それはそう)
「アウトからインサイド」「メタフィクション→フィクション→ハクション」の言葉遊びは流石の大胡田さんの節。
アッパーチューンだからかプライベイトやトークトークトーク!よりも一層パスピエ節が強く出ている曲な気がする。

≪一番好きなところ≫ラスサビ飯塚さん「決定権はこの手で握っているんです」
人生イージーの項などでも書いたように、最後を搔っ攫っていくタイプの強い声の使い方が最高。ボーカルディレクションしてる人と好みが合ってるんだろうな?
余談もいいところだけどUNISON SQUARE GARDENにカバーしてほしいランキング1位がこの曲(2位がおもいでしりとり)

【作詞:大胡田なつき 作曲:広川恵一(MONACA)、田淵智也 編曲:広川恵一(MONACA)】

09.アイガッテ♡ランテ
音、歌詞、動き、どれを取っても「わけわからん感」のオンパレードで楽しさ満点だった。”どうせ一聴じゃ読み解けないから”的な開き直りのシンパシーすら感じた。
Pの本業バンドの方では10年以上前から頻出フレーズの「点と線」が友情出演(?)してる歌詞が好き。
「おやすみ」で締まるI my me mindからMVが鐘の音で目覚めるシーンから始まる「アイガッテ♡ランテ」へ繋がる歌詞繋ぎ(?)にも見えて良かった。(ここ完全にDr.Izzyのアトラクションがはじまる「目が覚める鼓動が聴こえたなら徹底的に揺らして」→MVが朝目覚めるところから始まるシュガーソングとビターステップと同じ構図)(間奏のアイガッテ♡ランテ連呼してるとこもシュガーソングっぽい)
ラスサビ前の「wake up one more time!」もアルバムの流れで聴くとその繋がりを感じるし、この曲の全体的な「わけわからん感」が部分部分で解像度が上がっていく感じがして楽しい。が、結局のところこの曲は「わけわからん」を笑って楽しむ曲な気がする。
詩曲歌ダンスMV全てが組み合わさって謎の化学反応を起こしてるのが面白すぎるし、ライブでどう転がって進化していくのかが今から楽しみ。
≪一番好きなところ≫鷹村さんピテカントロプスの生い立ち難しい」とそこの謎ダンス(MVだと一瞬しか映らないのが余計クセになる。1分35秒ごろ)


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「ロックとブルースと油物が好き」最初に見たとき本当に声を上げて爆笑しました。

【作詞:田淵智也 作曲:田中秀和(MONACA)】

10.おもいでしりとり
完全にUNISON SQUARE GARDENのアルバムに迷い込んだ錯覚に陥るアイガッテ♡ランテ→おもいでしりとりの繋がり。おもいでしりとり本当にいい曲。
具体名出すとスロウカーヴは打てない→Catch up,latency、フィクションフリーククライシス→Invisible Sensationのノリのそれ。
厳密には調べてないけど恐らくCatch up,latencyとコード進行が近しいのでサビなんかは特に雰囲気が似てて好き。(これUNISON SQUARE GARDENのブログだっけ?)(このブログを目にしている皆さんには十中八九必要ない言葉だけどUNISON SQUARE GARDENの文脈からDIALOGUE+を観るのはめちゃめちゃ面白いのでおすすめです)

以前にもブログに書いたが、「しりとり」によって言葉を繋いで駆け抜けていくこの曲は、古くから彼のスタンスである"語彙がないから複合技"(アイラブニージュー/UNISON SQUARE GARDEN)の総決算的ポジションにいるように感じる。
アルバムの構成面で見てもやはり「既存曲を既存曲として聴かせない」意図を感じる構築が最高だし、それをグループの看板曲でもあるおもいでしりとりに仕掛けるというところも意地を感じて良い。

「今、季節はまるで天秤のように」「壊れないで ふたつのバランスだけは」「今、季節は変わろうとして この天秤は次のバランス探す」と巡っていく歌詞の築き方、隠し切れない田淵智也感にあふれてて好きです。あとあの天秤の振りも好き。

≪一番好きなところ≫1サビ「手を繋ぎたい」宮原さん
本当にこのパワフルさと可憐さを両立した声が最高すぎて…。
【作詞作曲:田淵智也 編曲:睦月周平

11.20xxMUEの光
おもいでしりとりと透明できれいの間にこれ挟んでひっちゃかめっちゃかにする構成が好きすぎて好きすぎて。UNISON SQUARE GARDENCIDER ROADにおける「crazy birthday」みたいな。とにかくドラムの手数がエグくて好き。

シンセ×高速BPM×各フレーズあざとかわいく遊びたおす村上さん守屋さんのおかげで一見楽しいに全振りした曲に見えるんだけど、要所要所とんでもない歌詞で刺しに来る曲で1曲で満たされるものが多いのが最高ポイント。
「世界はいつも正しくて 自分はずっと間違えて 認めてやっと進めるよ これまでの時間決して無駄じゃない」とか「人と同じだって人と違ったって君は君の未知へ!」みたいな歌詞最高すぎて…。身体がテンポ感処理できた瞬間から泣き曲に進化してしまった。
そして完全に余談ですが、先日フラッと観にいった「フリー・ガイ」という映画が完全にこの曲とマッチしてる作品でした...オタクにおすすめです(オタク特有のなぞこじつけ)(誰かのわかりを得たい)

≪一番好きなところ≫2サビ手前かわいい全振りの何!?からの固定観念RIP 若気の至りとかいう最強最強歌詞。語感も言ってることも強すぎて凄すぎて。
四字熟語×アルファベット3文字のフォーマット、面白いし楽しいしで最高。愚公移山DNA」とか「勇猛邁進ING」が落ちサビでいきなり出てく胸アツ感も好き。


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奇跡的バランスと玉石混淆RGBの演出好きすぎるので貼っちゃう
【作詞:やしきん 作曲:田淵智也 編曲:やしきん】

12.透明できれい
DIALOGUE+1という物語のクライマックスを迎える曲。
アルバムの帯に掲げられた「どうしようもないくらい好きになってね」が2サビから登場している。(2サビまで待たせて出てくる構図は10% roll, 10% romance帯"4年後もどうせ君が好き" や君の瞳に恋してないのタイトル回収を思い出してニヤけてしまう。)
しかし、アルバム帯はある種のミスリード役となっており「どうしようもないくらい好きになってね」と受け手に丸投げするのではなく「違う、僕たちがさせなきゃ」「大丈夫、僕たちがさせるから」という自覚(?)を示す言葉のための舞台装置的な役割になっているように見える。
もうひとつ憎いのは「僕らだけが見える僕らだけの夢を」「君と僕らでさ 作ろうよ未来を」という「君(単数)」「僕ら(複数)」という言葉の使い方。ここから先はうまく言語化できないので各自汲み取っていただきたいのだけど、憎たらしくなるタイプの良さがあるよね。(君と僕らで革命しましょに繋がっているのもロマンス感じる)

楽曲構成的にはAメロ「ステージはこうして新しくなる」で締めくくるのがとても好き。
2Aのフレーズとの相互関係もそうだし、こういう壮大な曲の締めにAメロが来る切なさと明るさのバランス感(まだまだ先に続いていくものがあるのを見せてくれるような感じ)みたいなものがツボなので...。
兎にも角にも締めくくりに相応しい壮大な名曲だった。

≪一番好きなところ≫鷹村さんの1A「だけどなんにも返せてないよな」の「かせてないよな」の掠れた感じの音の当て方。感情表現として最高だし、声優という表現者としての歌い方が前面に出てて好き。他にも大サビ手前の内山さん守屋さんのとことか無限に好きなところ出てくるけど一番はそこだったな。
それにしても、本業ロックバンドで「どうせなら、この際なら虹を作ってみよう・モノクロでは説明できない完全無欠のロックンロールを/フルカラープログラム」「また違う色混ぜてまた違う未来をつくろう/春が来てぼくら」と色をつけることと生きる道を彩ることをイコールで結んでいたかのような人が「透明できれいでそしてあったかい」というクリアな言葉を紡いでいるの、ありとあらゆる感情が刺激されて本当に好き。
とまで書いて閃いてしまったんだけど、「どうしようもないくらい今が好きだよ」の『今』が『透明できれいでそしてあったかい』なのだとしたら、それは今後七色あるいは人数にかけて八色に満たされたりするんですかね?そんなオタク的視座を隠し持ちながら今後もDIALOGUE+の音楽の行方を追いかけてみたい。
【作詞:田淵智也 作曲:瀬名航 編曲:伊藤翼】

13.はじめてのかくめい!2021
れぼるじゃーん(感情)
「また息をした」という言葉からブレスを挟んで繋がるはじめてのかくめい、音を聴いても歌詞を読んでも見事な繋ぎでやられてしまった。
「ステージはこうして新しくなる」と言わんばかりに新しくなったはじめてのかくめい!が始まるのもどうしようもなくズルかった。おもいでしりとりの項にも書いたように「既存曲を既存曲として聴かせない」ひとかけらの真新しさをもたらせる仕掛けで、最後まで手が込んだ構成が貫かれていた。

デビュー曲の再録というある種の奥の手的存在をファーストアルバムで惜しみなく出してくることや、1曲目の「この今が宝物だってこと」にはじまり12曲目の「どうしようもないくらい今が好きだよ」と結ばれる構成からは、もはや執着心に近い『今』への感情を感じた。

オリジナル版と比べると声の活力を中心に各サウンドがより研ぎ澄まされたかのような印象を受けた。次は2031ver.が聴きたい(気が早い)

≪一番好きなところ≫Dメロ「だけどやんなきゃ未来は来やしないんだ↑」で頭一つ抜けたキーになるところ。ハイテンポに急かされてるのもあってか、感情を昂らせるような空気感がこの一瞬でブワっと広がってツボ。
【作詞作曲:田淵智也 編曲:伊藤翼】

 

≪結び≫
ひたすらポップに駆け抜ける13曲50分だった。
「聴いてしまった」感満載の圧倒的なボリューム感と聴きやすさの二軸が揃っているアルバム構成が本当に圧巻。
8人とそのチームがこれまで歩んできた道と今踏みしめている現在地、そしてそこからおぼろげに輝かしい未来像までも見えてくるような素敵なアルバムだった。
そんな美しく圧巻の1枚を点として、どんな方向へ線を伸ばしていくのか楽しみでしかたない。

DIALOGUE+1/DIALOGUE+

01.Sincere Grace
02.人生イージー?
03.ドラマティックピース!!
04.謎解きはキスのあとで
05.プライベイト
06.あやふわアスタリスク
07.夏の花火と君と青
08.I my me mind
09.アイガッテ♡ランテ
10.おもいでしりとり
11.20XXMUEの光
12.透明できれい
13.はじめてのかくめい!2021

お読みいただきありがとうございました!

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条件反射で帯を隠して写真撮るオタク

 

 

自分で見返してちょっと引いてます、本当によく喋ってますね…。
まだ書きたいことはいくつかあったのですが、まとまらない話が多かったのでまた別の機会にでも書こうと思います。

最後に余談ですが、写真からお察しください(チェキ)
筆者は大昔水曜日の某A&G Next Generation Lady Go!!!!!をめちゃめちゃ聴いてメール送ったりイベント行ったりしていたオタクなので...。そんな盤外の文脈も繋がってしまうんですよね、オタクなので...(この話いったい何人に正確に伝わってるんだ?)
ということで余談にまでお付き合いいただきありがとうございました。