つばめも

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ライブレポート VIVALA ROCK2021 5/2 UNISON SQUARE GARDEN

みなさんこんにちはツバメです。

 

今回はビバラロック2021のUNISON SQUARE GARDENについてレポート書いていきます。

本当は目に見た全アーティストの良いところ全て書き起こしたいけどあいにくそんな力はないのでご容赦ください。

 

0.サウンドチェック

ワンマンでは見られない、フェスならではの醍醐味でもある音出し。

多くのアーティストは持ち歌をワンコーラスのみ演奏したりして各楽器の音量を確認していくので実質本編のおまけ的に曲を聴くことができてしまう。

UNISON SQUARE GARDENはそうした方法とは一線を画して、「ないメロディ」を演奏しながら準備をしていく。

明らかに「オンドラムスタカオスズキのそれ」とわかってしまう特殊な手数のドラムのサウンドチェックや、独特の音圧が心地よいベース音、

ギタボによる高低長短を織り交ぜた「Check Check Check…」を繰り返すセッション、どれもその日その場にいた人だけが享受できる特別な音で、最高に心が舞い踊る時間だ。

 

01.セッション天国と地獄

いつも通りSEの絵の具から3人が入場。

SEが切れる頃には3人が向き合って

「デン…… デン……… デン……」と一音ずつ刻んで、観る者の全ての視線を奪っていた。

一音目が鳴る瞬間という観客の集中力が一番高いポイントでこの構成のセッションを設置しているのが憎たらしい(最高)

セッションはかなり複雑な構成で、ドラム→スラップメインのベース→ドラム→ギターの順で展開していった(ように記憶している)

妖しげなグリーンの照明が照らすステージ上で繰り広げられたセッションは

「客を乗せる」というよりは「魅せつける」感が強く、早速オーディエンス置き去りモード全開で楽しかった。

ギターの後半からは天国と地獄感(伝われ)が漂ってきた。(ちょっと舞洲のセッション感)

セッション後半、ステージは赤い照明に包まれ、聴く人によってはお馴染みのイントロから

「天国と地獄!」
視界には多くの腕が上がり、UNISON SQUARE GARDENの1曲目がスタートした。

音楽フェスが止まってしまった2020年を経て、

「退屈に殺される前に」「大人を舐めるなよ」と駄々騒ぎを重ねたアクトは観るものを圧倒していた。

毎回アレンジの変わるソロ回しのドラム、この日はスネア連打の原曲チックな感じだった。

1曲目ということもあり若干落ち着き目だったような気もする。最後はヘッドフォン装着と同時に流れるように次の曲へ。

02.シュガーソングビターステップ

最後にぶちかますのかなと思っていたのでびっくりした。斎藤さんがイヤモニさわる回数多かったのが印象的。

ここまでの流れで既に

「これがUNISON SQUARE GARDENです」を単純明快極まりなく表現できてしまうこの曲の強さが素晴らしい。

生きてく理由、死ねない理由が連鎖して導かれたライブに添えられる大ヒットアンセム、いつどこで聴いても輝いてしまうんだよな。

全然どうでもいいけど、蓋然性合理主義のアレとクレーンカメラが完全に重なって見えなかったのが面白アクシデントすぎて笑った。

あと「Q.E.D.」後の大サビのキメ、ドラムが立ち上がってリズムに合わせて空気を叩きまくってたのでほぼドラムの音がしてなくてウケた。

03.桜のあと(all quartets lead to the?)

ヘッドフォンつけたままハットで4カウント→Aメロ叩きながら外す の流れ好き(鈴木貴雄ヘッドフォン過激派)

ダメ押しのポップロックで既にSSAを握りつぶしてた気がする。

やっぱりBメロコーラスをしっかり聞き取れる今の環境が大好きなのでもう一生ライブは発声禁止でいいと思ってしまう(リズム隊コーラス過激派)(でも意外な曲が始まった時の驚嘆の歓声は好き)

5月に歌われる「桜が咲いて散ったその後で...」の詞、最高に旬なフレーズになっていてよかった。

「そう 今は奏でて」とあるように、ロックバンドにできることはライブをやることだけなんだというマインドが体現された詞に、この日この場所における桜のあとの意義を見出せるだろう。

04.何かが変わりそう

繋ぎも流れも歌詞も、もちろん演奏も、何もかも最高だった。

繋ぎについてはシンプルに、桜のあとからほぼシームレスにドラムに入るのが良かった。

流れについては、シングルの強い曲→ややコアなアルバム曲の順に繋がっていく部分に

「どんな曲も自在にエースのように扱って演奏できるカッコよさ」を感じる。大富豪のジョーカー的なズルさがあるよね。

周り見る余裕がなかったから知らないけど、この流れだったからフロアはやや置き去り気味だったかもしれない。

歌詞もこの日この場のこの瞬間だからこそ深読みしがいのあるフレーズに化けていた。

ギリギリで繋がってきて、音楽フェスが新しい一歩を踏み出している「何かが変わりそうな夜」に

「その一瞬を奏でるのに どれだけの犠牲がいるんだ」を奏でる意味の深さよ。(詠嘆)

MCという形は捨てて、ひたすら音に乗せる表現を止めないバンドだからこそ強力な引力になってしまうのだ。

「忘れていく 忘れていくよ 幻と出会ったように」のコーラスは相変わらず儚く美しかったし、「一人だけど独りじゃない 鮮やかに鮮やか」とこれまた文脈性の塊のような詞を歌いながらボルテージが上がっていき、

「涙が零れそうな夜だ」と3人の声がユニゾンする刹那と、追いかけるように鳴り響くロータムの衝撃を感じる瞬間が本当に好き。

繋ぎと流れと歌詞の文脈性と演奏の全てが最高の掛け算になっていて、痛烈に記憶に残ってしまった何かが変わりそうだった。

 

05.黄昏インザスパ

無音の暗転状態から静寂を引き裂くようにロータムを鳴らして入っていくのが好き。

オレンジの照明に照らされての演奏が素晴らしかった。この時ちょうど外の空間も”黄昏時”だったと思う。偶然か必然か、相変わらず手が込んだセットリストで最高。

新形態のフェスの生命が芽吹いたタイミングに持ってくる黄昏インザスパイ、一発レッドカードなパワーだった。

イベント全体(なんなら鹿野さん宛)に贈られたかのような、

「止まれないなんて焦っている君に歌うよ 止まれないなら車に轢かれちゃう」

「迷いそうなら深呼吸をせめて、/大丈夫、の3秒間」

「正解基準なんてさ僕も知らないから君が決めなよ」

「負けないどうせ君のことだから」

といったフレーズの数々が華麗に橙に染まっていた。

バラード歌う斎藤さんの立ち姿は本当に美しくて強くてかっこよいんだよな…。公式で上がってた写真もよかったです。↓

PHOTO & REPORT !!!| UNISON SQUARE GARDEN VIVA LA ROCK 2021

06.Phantom Joke

黄昏インザスパイの余韻に合わせるような閉じたハイハットでの4カウントから妖艶なギターリフが響いた。

途中まで明らかにフロアがステージに置いていかれていて面白かった(筆者も脳内処理が追い付かなかった)

この日のPhantom Jokeで1番良かったのは間奏のドラムの激しさ。普段外さないリミッターが外れていたように見えたのは、ワンマンに比べて演奏時間が短いからだろうか。

ドラムと体力管理の話は至るところでされているので、今後もPhantom Jokeは演奏位置とアクトの激しさに注目してみようという新たな発見にもなった。

セットリストの流れに話を移す。この1年様々なPhantom Jokeを見てきたが、なんとなく夏影テールライトや黄昏インザスパイのような緩やかで優しい曲と組み合わせたギャップで絞め殺しに来る使い方が一番似合っているように思った(多分コロコロ変わる見解)

Normalツアーの時も思ったが「忘れないでほしい」という言葉が良い。最近のベースおじさんの言動とリンクしてしまうので。

桜のあと「忘れない忘れないよ今も大人になっても」

何かが変わりそう「忘れていく忘れていくよ幻と出会ったように」

これらの詞からただならぬPhantom Jokeとの相関性を感じる。(桜のあと「あますな必要ないよ”噓つき”」も込みで)

07.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

Phantom Jokeをばっちりキメてハイハットのカウントから可愛げのあるリフへ。

最新アルバムの曲なので曲を知ってるか否かが割と鮮明に可視化されていてこれまた面白い光景だった。

間奏アレンジがNormalツアーで聴いた時とはまた変っていたのも良かった。ここのアレンジは言語化が難しいので秋までに語彙を増やしておきます。

わざわざこのブログを読んでいる皆さん(いつもありがとうございます)ならもうみんな気が付いているはずの歌詞の話もしていこう。

「You may doubt "Rock festival"」

元来は”周りのノリ方を探りながら合わせてしまうライブシーン”や”自分だけの楽しみ方を持てないこと”を疑ってもいいんだよと鮮やかに皮肉ったような意図があったと推測できる。

これだけでも既に十分な含みだが、世の中が転じている最中では、フェスを取り巻くすべての事象に突き刺すことができてしまう痛烈なフレーズと化していた。細分化して語り切れない!

迫力満点の演奏で勝手にたくさんの腕があがってしまうライブをしておきながら「腕は上がんなくちゃなわけがない」と言い残すのもズルさ満点だ。

そんなこんなで混沌としている時代でも不変のスタンスを貫いて”君の覚悟を聞いているんだよ”と問いかけ、心の隙間を埋めてくれるロックバンドにまたまたやられてしまった。

08.

繋ぎ方はNormalツアーのそれと同じだった。

同期の関係か繋ぎに束の間の余白があるんだけど、そこがドラムのピンスポになるのが楽しい。

2年後くらい経ってスロウカーヴ→君の瞳が定着した頃、急にスロウカーヴ→like coffeeのおまじないとかやって「オヨヨ~」になる準備はしたのでいつかよろしくお願いします(?)

ここまでの7曲で完全に埼玉を掌握していたので、勝者の余裕を感じるぶち上げモードだった。

ギターソロ前のドラムがはちゃめちゃに楽しかった。ギターソロはおふざけ絡みなしで斎藤さんは上手前方、田淵さんは上手の際の際まで前に出てきていた。(もちろんマイクへダッシュで戻る)

大サビからアウトロまで、あまりに完璧な大団円だった。

何かが変わりそう「君の声も聞こえたけれど今は空に消えていくだけ」が

「せめて君くらいの声はちゃんと聞こえるように」と移ろうのも良い。

「後悔したまま死ぬかもしれないし保証なんかどうせ役立たず 甘い一瞬に騙されて」というフレーズがいくつもの人を救ったことだろう。

ここまでで完全に君の瞳で完結な空気を感じたが、斎藤さんが一言

「ありがとうございました。UNISON SQUARE GARDENでした。」と置いて即イントロへ。

09.春が来てぼくら

最後は過去聴いてきた中で一番感情がこもっている春が来てぼくらだった。

 歌い方に顕著に表れていたのは落ちサビの

「これまでの大切が続くように」の部分。

はてなブログを精一杯つかって文字で表現すると

れまでの切が、づくように

みたいな。明らかに今まで感じなかった”熱”を感じた歌い方だった。

コンディション的にもセットリストの流れ(ラスト1曲をビバラへのメッセージ代わりにする)的にもフルパワーで飾っていた春が来てぼくらだったと思う。

黄昏インザスパイに引き続き示唆に富みまくりの詞がひたすら良かった。

各アーティストがこの状況下でのフェスの開催自体や観客を含めた関係者への感謝や賛辞のMCをする中、UNISON SQUARE GARDENらしく、演奏の一点張りでメッセージを送る姿が美しい。

文脈性の塊のようなセットリストをぶつけてくるやり方をとるのがセルフプロデュースの天才で最高だった。

全員良い顔をしていたけど特に、

「今じゃなきゃわからない答がある」をこれ以上ないくらい花マルの表情で口パクする田淵智也さんが本当に良かった。スクリーンに抜いてくれたスイッチャーさんビックプレーをありがとうございました。

45分という持ち時間の全てを演奏に充て、9曲かけて喜怒哀楽が全開に表現されたセットリストには緻密なメッセージと濃密な演奏がみっちりと詰められたものだった。

そんな甘い蜜を吸わせてもらえるライブ体験が、どうかシンプルにこの後も続いていけばいいなと思う。全人類健やかに生きよう…。

そういう祈りを書き残して、今回はこんな感じで締めます。

お読みいただきありがとうございました。

 

VIVALA ROCK2021

5/2 -ULTRA STAGE- UNISON SQUARE GARDEN セットリスト

セッション~天国と地獄

シュガーソングとビターステップ

桜のあと(all quartets lead to the?)

何かが変わりそう

 

黄昏インザスパ

Phantom Joke

スロウカーヴは打てない(that made me crazy)

君の瞳に恋してない

春が来てぼくら

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SSSツアーの話やCIDER ROADツアーの話など書きたいことが渋滞しているので、またそのうち更新します。それでは!