つばめも

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UNISON SQUARE GARDEN One roll, One romance @幕張メッセ セトリ 感想 ツアー総括etc.

無敵のロックバンドUNISON SQUARE GARDENのツアーファイナル、千葉公演に行ってきました。それはそれは最高のライブでした。

本記事では、千葉公演の感想に加えて過去記事の内容を盛り込みながらツアーの総括を書き連ねていきます。このロックバンドについては深読みしていくが楽しみ方の一つ。作りこまれたセトリを解読する楽しさが伝わればなによりです。が、このツアーで思ったこと全部盛り込んだ結果、1万字を若干オーバーする文量になってしまいました。もはや自由帳みたいな感じになってます。本当にすみません。(?)

曲順に感想やらをまとめて書いていっています。好きなとこだけ読むもよし、ここでブラウザバックするもよし。「自由に楽しんでいってください」…(笑)。

ということで始めます。以下常体で失礼します。

0.開演前

恥ずかしながら初の幕張。待機がバカみたいに寒かった記憶しかない。会場はめちゃんこ広くてびっくり。日ごろから彼らが大箱を嫌う理由も透けて見えた。それでもこれは24本のツアーの一部に過ぎない千葉公演なのである。

私は下手サイドに最前センターブロックのとなりブロックに陣取った。スタンディングの時は体が勝手に下手側を選んでしまう。いつも通り開演はちょい押し。開演直前の暗転でステージ頭上のスクリーンの存在にみんなが気が付いてザワついたのが印象的。あのような演出はバンドとしても初の試みだったどよめきや笑いが起きるのも当然といえば当然だ。しかし「味付けは少しだけ」と言わんばかりにただただ3人の様子を写し続けたあの位置のスクリーンくん、GJだった。

1.サンポサキマイライフ

“旅する音楽隊”の1曲目は会場の物好き達のサンポサキをエスコートするこの曲。SEである絵の具に合わせて「ドン ドン ドドン」とバスドラが鳴り始め、ハイハットのカウントでイントロが放たれた時のあの高揚感は言うまでもない。イントロ後の「ハッ!!」であの場所のオーディエンスの数を再確認させられた。背後にものすごい人間の圧を感じた。

ギターソロのタッピングが最高にクール。ドラムはどの曲においてもアレンジ全開で、「俺の今の最高点はこれだぞ!」っていうのを提示されている気分になる。歌い方、ギタードラムのアプローチが変化しているのに隠れて安定して曲を支えているのがベース。挙動は不安定。本人がよく「ベースは歌と演奏の邪魔にならないように頑張る」みたいなをこと言ってるが本当にその通りで、暴れるドラムとギター引き立てるベースらしいベースがこの曲の魅力。(くれぐれもベースが進化してないみたいな受け取り方はしないでね。)

2.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

(歌い出し終わりで) \ぃようこそぉおおお/

これまでほとんどライブ終盤で演奏されていたこの曲。しかし我々の常識を打破するというこのバンドからすれば、ある意味でコンセプト通りの配置。カウントでフロアからは悲鳴がチラホラ。サビはコーラスが聞こえないほどオーディエンスの声で埋め尽くされた。(別に歌うの控えてほしいわけじゃないけどリズム隊のコーラスが聴きたいんだ私は…)。まあそんなことどうでもいいやってなるくらい圧巻のパフォーマンス。オーディエンスが歌おうが歌わまいがロックバンドのかっこよさは揺るがないものだ。

サンポサキをエスコートされた先は東の空。まさしく「ワタシドコ ココハダレ ダアレ」という心持である。

(サンポサキ終盤でスタッフが割とのんびり歩いてヘッドホンの準備しに来るのがじわじわきた。)

3.kid,I like quartet

旅する音楽隊がサンポサキをエスコートして東の空を夜な夜なドライブした先にたどり着いたのは、四つの感情が行きかって次々に色を成すような一つの街。as you like があの大会場の一人一人に突き刺さるの、作詞家にしてみればたまらないだろうなぁ。まともなプログラム\can you see? /の爆発力も今まで経験にない熱量だった。相変わらずこの曲は楽しい。

サビ頭のベースが開放弦なので左手が煩くなるのがかわいい。

 4.Mr.アンディ

大衆を目にした斎藤さんの「人間ってすげぇ…」の一言がめっちゃ武道館の時のあれだった。「ああこれジブリでみたやつ」ってのは多分ムスカのアレかな?(笑)。いつもの「自由に楽しんでいってくださいッ」からこの曲。あの日のMr.アンディは言うなれば正に「Mr.アンディ‐party style-」であった。心地よいミドルテンポにミラーボールと共に揺すられて、ついでにクラップも見事に揃い、あの空間こそPerfectly Euphoriaだった。(2番前の間奏、斎藤さんがエフェクター踏み間違えてるというレアな凡ミス場面を見てしまった、おそらく会場にいた人は全員気付いたはず笑)

5.シューゲイザースピーカー

カウントなしでギターリフ。アンディで穏やかになった会場の空気も引き締まり、迫力のあるイントロが鳴り響いた。これはあくまで私の性格が悪い話なのだが、1番でバスドラに合わせて起きていた手拍子が、2番のドラムの変則的なパターンについていけなくなって鳴りやむのを見てニヤけてた()。(このあとfake town babyでも同じ現象が起きる)。

ここまでややポップに偏っていたセトリが、この曲でロックモードのスイッチが入り、勢いを加速させて後続曲にバトンを渡す。「生きる証拠実感したのは誰だ?」「始まるはず 命が歌いだす高揚感」など新曲オンパレードの今のユニゾンに相応しいフレーズが散りばめられており、このツアーセトリに並べられた意味を見出した気がした。

6.リニアブルーを聴きながら

ここは天国と地獄との選択枠。この日のセトリが映像化された東京二日目と同じなのはセトリ変わるの目当てで来るような客を増やさないためじゃないかという邪推。いわゆる定番曲枠でツアー開始当時はリリース前のfake town babyをお膳立てする枠的な扱いだと感じていた。ツアー開始の直近のライブでオリオン桜場違いが連発されていたのがリニアブルーぶちかます伏線だったのだろうか。

印象的だったのはライトブルーの照明。そして無限に鳴り響くツインペダル(笑)。「一人きりでもリニアブルーを聴きながらあああ」って歌詞、きっとあの場にたくさんいたであろう1人でロックバンドを見に来た人に突き刺さったのではないだろうか。特にユニゾン初めて来た人とか。

「一緒に奏でたいけれど 今は今日を行け何度でもメロディ」は武道館やメッセみたいな大箱に突き刺さる素晴らしい歌詞だと再確認。

7.fake town baby

東京公演の頃はあった「新曲やります!」はなし。そりゃそうか。曲名コールの後の歓声はすごかった。単純に人数の差でもあるが、アルバム効果によるオーディエンスのこの曲への「待ってました」の感情は間違えなくこのツアーで一番のものだっただろう。zeppより照明が目まぐるしくうごめいていて良かった。サンポサキをエスコートして東の空を夜な夜なドライブした先にたどり着いた街が例え未完成で杜撰でいらいらして穢れてて反吐が出て真実なんてなくてもI'll beなんだよなぁ。よくできたセトリだ。生きるsessionもう当分は飽きる気配がないんだよなぁ。ここの歌詞はシュガーソングとリンクさせてるのかななんて考えながら聴いてた。「どこまでが~」のとこのベースラインがシンプルで好き。間奏のドラムとギターはほんとにわけがわからない(n回目)。わかるようになったらご報告します。

8.クロスハート一号線(advantage in a long time)

暗転、後に静寂。そこから始まる4枚目のアルバムのこの曲は意外性に富んだ選曲と思われがちだ。しかし、fake townから街というキーワードがリンク、後に登場する001とは共に「“君”と“ロックバンド”」の関係性を歌っている。

「それでも多分この街をずっと愛したいんでしょ」

「君が僕を好きなこと知ってるはずなのに こんなに僕も好きだから」

ライブという空間でしか巡り合えない二つの存在であるが、それで良いのである。明日も明後日も君が願った数だけまた会えるから。という理由付けが次の曲で行われる。のではないかという一つの解釈。まさに見たこともないラブロマンスである。

くさい文章の深読みはここらで切り上げる(笑)。要するに既存曲の活かし方が天才的にうまいというお話。ここまでセットリストにストーリー性がもたらされるのは、これまでに彼らが紡ぎあげた言葉たちが噓偽りないものであることの証明である。

この曲、CD音源に入ってるピアノの音やバッキングがなくても、というか無い方がバラードとしての存在感が際立つ。サビの3人のハモり具合が素晴らしい。加えて最後のギターのまとめ方も美しい。

9.flat song

この曲、CPにするの勿体なさすぎる。え、このツアー終わったら次は何年後なんですか?どうか幕張で永遠に眠らないでいい期間開けてまたやってくれ…という願いを込めながら聴いていた。

これは去年のツアー中にも思ったことだが、ギターの音作りがリリイベ音源と比べてCD音源に近づいていた気がする。サビのコーラスはこの日も芸術点満点。Cメロのベースラインが目立つところでシンバルがおとなしくなるの、引き算の美学って感じで素晴らしい。ちなみにラスサビのコーラスは「say hello」って言ってるとみて良いでしょう。ここ何言ってるかずっと気になってたがツアー中に解決できたので良かった。

MC.

この日のMCはタカオいじり。メッセで同日に行われていたスプラの大会の配信をずっと見てるタカオがだんだんイカに見えてきたとかなんとか(笑)。確かにこの日の白い衣装はイカに見えるような見えないような…。そんなこんなであっという間に後半戦へ。

 10.ノンフィクションコンパス

「(24回目の)普段あんまりやらない曲をやってみます。」から始まるこの曲。歌い出しで悲鳴のような歓声が漏れるのすこだ。これやるでしょっていうピンポイントな予想が見事に的中したのもこのツアーの思い出。

「無駄に見えたならmistake 全部がかけがえないエキストラ」「カメラやド派手なライティング そんなのいらないし興味もない」とは、スクリーン以外一切装飾のないステージを実現したこの日のために用意された歌詞かのようであった。

「ちょっとだけ怖いけど大丈夫だよ ずっと譲らないから大丈夫だよ」…消せるはずのないこんな思いを抱え続けるロックバンド、最高にクール。

サビの「ぐるぐるとかき乱すルーレットさながら回る物語」とOne rollが引っかかっているはず。そうやって考えると次の曲がなぜ選ばれたのかが見えてくる。

11.メカトル時空探検隊

不思議ちゃんなイントロに合わせて不思議な模様の照明が照らす。あの照明はなに模様っていうんだろ。ともかく旅する音楽隊は君の街までふらっと行く。ありがたいことだ。

「見たこともないラブロマンス」でOne romanceと引っ掛けているはず。きっとそうだと信じてやまない。ここのOne roll, One romance繋ぎはほんと田淵らしさがにじみ出てる素晴らしい構成だと思う。

12.パンデミックサドンデス

再びロックモードのスイッチが入るこの曲。自分が聴いたなかではどのライブよりCD音源に近しいBPMだった。癖になるギターリフから棘のある言葉の並ぶメロディ、こういう尖ったユニゾンがけっこう好き。この曲や23:25などマイナスな感情をポップに歌い上げるのもすごいけど、いつかの少年とかサーチライトみたいなどうしようもない空虚な感情がメロディそのまま乗ってるタイプの曲もとても好きなのでまた聴きたいですお願いします。

毎度恒例のAメロで見えないなにかと闘う田淵。いつもにまして戦闘力高そうだった(笑)。

何気にここへ来て初のDr.Izzy曲。そういえばDr.Izzy曲でツアー以降一切演奏されてない曲がありますよね。マイノリティ・リポート(daring,I love you)って言うんですけど…。これは次のツアーで回収されるのかなぁ。 ともかくここまでのバリエーションに富んだ12曲でこのバンドの奥深さが味わえる。しかしこのツアーの真骨頂はここからだ。

13.僕らのその先

「日常を照らすあまりに優しい君の影 鈍る足取りなんだか軽くなるような」 というアレンジから始まるこの曲。ボーカル斎藤宏介の凄まじい迫力を感じるこのアレンジは昔から変わっていないらしい。

シンプルな曲調を味付けするのは美しいリズム隊のコーラス。これだからスリーピースバンドは良いんだよなと再確認させられる。「吸って吐いてね フォーミングOK 一瞬間の気球に乗って」のタカオの声がとても好き。

夜な夜なドライブの果てに辿り着いた街も既に夕刻。僕らのその先は、バンド視点ファン視点どちらにしても「4年後もどうせ君が好き。」といったところであろう。

これは完全に余談だが、この枠はスノウアンサーとの入れ替え枠。スノウアンサー聞かなかった民が次聴けるのはいつなんだ…という絶望感は底知れぬものである(笑)。レア曲の入れ替え制はやめたほうがええやね(白目)

session“One roll, One romance”

タイトルは円盤のクレジットから。

軽快なリフに飛び乗ってリフ→ギターソロ→「One roll !」\One romance!!/×3

→リフ→ベースソロ→「One roll !」\One romance!!/×3

→リフ→オンドラムスタカオスズキ→「ウワアア(訳:One roll)」\One romance!!/×3→加速リフと展開する。この日もタカオの雄叫びは絶好調。ギター知識は0に等しいので偉そうなことは言えないがソロパートより後半のリフが速くなるほうが引くの大変そうな気がした。しかし、どちらも繊細な運指とピッキングが求められることに変わりわない。前の曲でボーカリスト斎藤宏介の存在感を思い知らされた次はギタリストとしての本領発揮。つくづく恐ろしいギターボーカルである。また、ベースソロが全部スラップで構成されているのには驚いた。アルバムにもスラップが入る曲が増えてきており、聴く楽しみは増すばかりである。ドラムは相変わらずのキメ細やかなハットワークから訳の分からない(褒めてる)スーパードラム。相変わらず楽しい。タカオにはドラムの楽しさを教わった気がする。

1回目聴いた時は掛け合いで何言ってるか分からなかったが、今回はツイッターやら映像やらで掛け合いから構成までどんなセッションか復習済み。内容が分かっててもあまりに楽しいセッションコーナーで最高に幸せな時間だった。

(円盤の方でタカオの叫びに笑いを堪え切れない斎藤くんかわいいよね、ね?)

14.Silent Libre Mirage

「もう少しやりますっ」でセッションを締めて2カウントでイントロ入り。この曲は始まりから終わりまで爽快の一言に尽きる。セッションからこの位置で演奏されることで曲としてもかなり進化したのではないだろうか。なんと形容すべきかわからないがABメロからサビに行くまでのワクワク感が堪らない。配信限定という時代に適していながらバンドのスタイルにはあまり馴染みのない形での発信から1年弱。その間ftH6やアルバムを通じてリスナーに浸透し、ある種Silent Libre Mirageの集大成がこの日の演奏になったのではないだろうか。もちろんこれからも期待の1曲。セトリ予想の時「しれっと前半でやってほしい」とか抜かした件は反省してる(笑)。

15.10% roll, 10% romance

気が付いた時にはカポの装着が終わっており、2カウントからのイントロにこの日一番の大歓声。初めてリリイベで聴いた時と比べて安定感や迫力が何倍にも増したように感じた。Aメロでバッキングに合わせてrolling playしていく田淵が面白かった(笑)。Bメロで溜めてサビで大爆発。会場が揺れているかのように錯覚するほど、少なくとも私の視界に入ったオーディエンスは全員飛び跳ねていた。僥倖なリズムお目にかけましょうの言葉通り幸せな高揚感をこれでもかと味わえた。

16.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと

10%の余韻に浸る間もなく「愛してるそれだけ~~」の歌いだし。そしてそれに呼応するようにフロアからは悲鳴に近い狂喜乱舞の大歓声が沸き起こる。001がこの位置に来ることも、10%と繋ぐことも想像できなかっただけに全ての人が間違えなく驚き、そして興奮するポイントだったのではないだろうか。

全体的にドラムアレンジが爆発していたが、特に2番Bメロでツイン踏みまくるのは楽しすぎて爆笑してた。あれ聴いたらだれでも笑顔になっちゃうよ(笑)。

「大事なことは そーーーおお/」の大合唱が凄まじかった。DAに収録されているものの、カップリング曲とは思えない浸透っぷり。

僥倖なリズムを噛みしめながら曲も終わり…と思いきやアウトロアレンジでまずはベースパート突入。2番Aメロのベースラインのアレンジチック。続いてその間にカポを外したギターがステージ最前の花道に降りてのソロパート。ここはギターソロのアレンジで毎朝の目覚まし音に設定したいくらい素晴らしいメロディ。その間ステージ上をいつものようにベースの人が上手サイドにスルリと移動。そしてギターのエフェクターを踏みかえて音色チェンジ。ギターソロのトーンも移り変わって次の曲に繋がる。

ここのアウトロアレンジ、特にギターが前に出てる間にベースがギターのエフェクトチェンジを手伝うという流れに何一つとして違和感を感じないのはUNISON SQUARE GARDENにしかなしえない技なのではないか。踏みかえの瞬間が円盤の方でもしっかり抜かれてたのがよかった。

17.シュガーソングとビターステップ

ギターソロからどや顔でドラムにパス。お馴染みのドラムフィルインからイントロ。いつの間にか拳を突き出して開いて手招きするベースの人のアクションが定着してて笑う。回を重ねるごとにAメロの動き方が小刻みで不気味になっていく。武道館の映像と比べると笑っちゃうくらい動き回ってる。他の曲同様この曲も進化を重ねていることを肌で感じることができた。何から何まで圧倒的なこの日のシュガーソングとビターステップには鳥肌が立った。次はどの位置で演奏されるのだろうか、そもそもセトリ入りするのだろうか。

ここでセッションから続いてきたライブの流れが途切れ、若干の間をおいてディストーションサウンドの開放弦が大音量で解き放たれドラムがそれに合わせてリズムを刻む。「UNISON SQUARE GARDENでしたッ!んラストォ!(発言内容は曖昧)」と共にラストはこの曲。

18.23:25

割れんばかりの大歓声に包まれ最強のギターリフが鳴り響く。ここはオトノバとの選択枠だがこの日は勿論23:25。このツアーでのこの曲は色々な意味で見どころ満載の楽しい曲だ。いつも通り1番をブチかますとベースの人が上手へ移動。何が始まるかと思えば斎藤さんへの謎絡み、この人どんだけ斎藤宏介が好きなんだよwwwってなるレベルで愛が爆発してる(笑)。ドラムの人も負けじとシンバル連打で二人を煽る煽る(笑)。斎藤宏介の「こいつらw」みたいな嬉しそうとも苦笑いともとれる絶妙な表情が笑える。間違えなくこのツアーで自称おじさんの3人が1番かわいく見える瞬間。

その後は定位置に戻りベースソロ。それが終わった途端両端の花道を駆け出す斎藤と田淵。武道館の光景が脳裏に浮かんだ。下手側にいた自分はまさかそこまで広く使うと思わなかったので夢中で田淵を目で追ってた。このシーンだけは上手側もドラムも全部見たかった。映像ほしいなぁ。

ギターソロが終わると両端に散っていた二人がマイク前に駆け戻り「帰ろう世界へ」のコーラスゾーン。何度聴いてもここで涙が零れてきてしまう。10% rollで「現実が無数にあるだけ」と歌ったあとに「現実なんてこんなもんだ」と来るのが良い。

旅する音楽隊のライブもいよいよ終わり。行き着いた先にあった街の時刻は23:25。早く帰って眠らなきゃいけない時刻だ。圧巻の本編18曲だったがもちろんまだ楽しみは残っている。

encore

曲に入る前のMCではこの幕張公演を決めた経緯やらのお話。要約すると、今たまたまこのバンドを見たい人がたくさんいて、ライブの本数を増やすのにも限界があるから1度でかい箱でやってみよっかっていう経緯での幕張へのトライだったという感じ。それとこれからも作詞作曲おじさんが曲作ってスプラトゥーンおじさんと僕がアレンジしてめちゃくちゃカッコよくしてみんなの元に聴かせに行きますという宣言。作詞作曲おじさん曲作りすぎっていう苦言(褒め言葉)混じりで面白かった。

ともかくこのロックバンドは今日この瞬間も、それから明日からもずっと変わらないことを強調していた。もはや物好きたちの中では耳タコになって来ているが、何度も言うよ大事なことだからね。ってことだろう。某誌のインタビューでも言われてたが、いつも通りであること以上に幸せなことはないよね。

19.Invisible Sensation

アンコール1曲目は2017シングルカルテットの一角を担うこの曲。歌いだし「高らかに」の文字通り高らかで澄み切った麗しい歌声に圧倒された。その透明感はさながら空気のようなものであり、CD音源以上の圧倒的すぎるやつをくれた。

直後のイントロはCD音源のようなバッキングがない方が引き締まって聞こえた気がする。なぜなのかはよくわからない。それにしても相変わらず詰めっ詰めの歌詞が並ぶメロディを、アルペジオを弾きながら歌いこなす様は流石と言わざるを得ない。この曲もギタボ斎藤宏介のポテンシャルがこれでもかというほど発揮される曲である。ついでに言うと後半のキメドラムと目立たないスラップがめちゃくちゃ好み。かっこいいが極まってる。

「このステージに立てるのは選ばれし」ってところはこの日の普段に比べて大きなステージにマッチした歌詞だったように思う。

余談だがこの曲の秘めたる才能(Invisible Sensation)が知りたい人はボールルームへようこそを見て、読んで。きっとこの曲が5億倍味わい深くなるはず。(ステマ)(オタク)。

20.RUNNERS HIGH REPRISE

ドラムとギターがタイミングを計って同時にイントロイン。本家リスペクトの手拍子はこの日も少なめ、というかほぼ0(笑)。

この曲、ドラムはイントロ、ベースとギターはサビの進行がとても好き。そしてサビのハモりのコーラスが大好き。このセトリだと前後の曲がキラーチューンと必殺ソングなので一休みな気分で穏やかに体を揺すりながら見ていられるポイント。23:25の後に聴くあの歌詞は日頃の数倍胸に突き刺さるものがある。

本編ラストで刻んだ時刻、「23時半の5分前の時計」は永遠のように止まることはなく旅する音楽隊のライブそしてこの24本に及ぶ長いようで短いツアーが本当の終わりを迎える。

21.シャンデリア・ワルツ

イントロで会場は大興奮。この日のシャンデリア・ワルツを言い表す言葉は「無敵」以外なかった。シンプルな白の照明に照らされた3人の誇らしげな姿が忘れられない。あの場にいたすべての人間を惹きつけた演奏だったように思う。武道館のセンチメンタルピリオドに勝るとも劣らない圧巻のパフォーマンスであった。客電点ける演出ほんとやめようね…涙止まらないから(笑)。ちなみに作詞作曲おじさんの鼻は赤くなっており目には光るものがあったように見えた。ただし最後まで満面の笑みではっちゃけてた。自分の作った曲で、自分のバンドであんなパフォーマンスができたらどんなに幸せだろうか。他二人に関しても同じだ。自分たちの音楽を信じ続けてあの場に立っているのが本当にかっこいい。このバンドのような芯のある人間になりたい。

アンコールラストがこの曲である理由は「わからずやには見えない魔法をもう1度」をキャッチコピーに掲げたMODE MOOD MODEの伏線だったのは明らかである。しかも、そのアルバム発表までこの曲がここに置かれた真意に我々が気が付けないという図がまさしく「わからずやには見えない魔法を」であるという美技。本当に見えない魔法だったのでこちらは気が付きようがなかったのがちょっと憎たらしい(笑)。

4thアルバムではto the CIDER ROADの「早々に出かけよう・次はどこへどこへ行こう」とシャンデリアの「行きついた先に何もなくても」が呼応する形になっていたように受け取れる。それが今回のツアーでは、冒頭から何度も話に出した「旅する音楽隊」の行き先とその歌詞がリンクしているように見える。(リンクしたって年明けまでしばらく内緒にされていた。)

サンポサキをエスコートされた先になにもなくても息をするぼくらは構わないのだ。だってまだ息をしてるんだよ。INGで少しずつrollingしていけばもしかしてInvisible Sensationがそこに転がっているかもしれないんだから。どうしても消えない23時半の5分前で止まったままの残酷時計の針が心を指してもstand up yourself OK?といったところだろうか。(歌詞にこじつけて強引にこういう文章作るのとんでもなく楽しい。ぼくのかんがえたさいきょうの○○シリーズに通ずる高揚感的な何かがある。)

なにはともあれ無敵のシャンデリア・ワルツ。この1曲が聴けただけで2018年のロックバンドを110%味わったような気さえした。3月にシングル、4月にまたツアーが控えているのが最高に幸せ。今年も呼吸を続けるロックバンドに揺さぶられながら生きていきたい。そう強く思える素晴らしいライブだった。

 

以下常体に戻ります

ここまでお読みくださったみなさん、貴重なお時間を割いていただき本当にありがとうございます。何人いるのかいないのかわかりませんが、もはや物好きオブ物好きな方々だと思います。こんな乱雑な文章の上、総字数は1万字を越しています。本当にすみません。誤字脱字等ありましたらコメントやTwitterの方へお知らせ願います。併せて感想もお待ちしております。

次回はセトリ予想を記事にする予定です。またよろしくお願いいたします。